テクノロジー(技術)によって生活をより便利に豊かにする、イノベーションの担い手となる人材を育てること。それは、Amazonが注力している活動のひとつです。
その中の重要な取り組みの一つとして、「STEM教育」(ステム)を推進しています。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの分野を軸に、子どもたちに学びの面白さ(自分で学び、自分で理解していく)、創造力やコミュニケーション能力などを養うさまざまな活動を行ってきました。このイベントも、その活動の一貫です。
2019年12月15日、アマゾンジャパンの目黒オフィスで、子ども向けのコーディング教室「Hour of Code」が開催されました。「Hour of Code」とは、米国の非営利団体「Code.org」が運営するプログラミング学習サイト、そしてその学習教材を使用した教育プログラムのことです。世界180以上の国において、のべ9億人以上が受講したというこのプログラムにAmazonも賛同し、スポンサーを務めるとともに、世界各国のAmazon社員のボランティアが子どもたちにHour of Codeでのプログラミング教室を開催しています。日本では2018年に初めてHour of Codeを開催しました。
日本で2年目の開催となる今回は、アマゾンジャパン社員とその知人の子どもたちを対象に、午前から夕方まで計5回のセッションで親子あわせて約750名の参加者が集まりました。
「Hour of Code」では、1つのセッションは約1時間。参加した子どもには1人1台ずつパソコンが貸し出されます。興奮ぎみの子どもたちの前に登場したのは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)サポートのサポートエンジニアとして活躍する寺西瑞貴さん。まずはコーディングの基本について解説していきます。
「コードというのは、コンピュータに『これをしてください』と命令する文章のこと。では試しに、自分がコンピュータになったつもりで命令を実行してみましょう!」
そう言って、会場の全員で「立つ」「座る」「それを3回繰り返す」という命令を順番に行っていきます。最初はやや戸惑っていた参加者たちでしたが、「どうですか。皆さん、コンピュータの気持ちがわかりましたか?」と寺西さんが質問すると、会場が笑いであふれました。
続いては、いよいよコードを書く「コーディング」に挑戦です。参加者は18種類ある学習教材の中からそれぞれ好きなものを選ぶことができます。
教材の始まりには、必ず動画での解説があります。それを見て「コードの作り方」を学び、実際に試します。内容は教材によってさまざまで、たとえば「右に進む」「ジャンプする」といったコードを駆使してキャラクターを動かし、ゴールを目指すものや、音楽に合わせてダンスをさせるなど、ゲームのような感覚で気軽に楽しめるものです。
教材は就学前の幼児向けから中学3年生以上向けまで、年齢別に難易度が設定されています。中には高度なプログラミングに挑戦できる教材もあるので、大人も含めて年齢を問わず楽しく学ぶことができます。
会場では、子どもたちの質問に、答えに詰まる保護者の姿もちらほら。親子で一緒に考えても答えが出ない時は、アマゾンジャパンのエンジニアを中心に結成された、約30名のボランティアチームのメンバーが加勢してアドバイスします。
ボランティアスタッフとして参加した山本雄介さんは、「とにかく子どもたち自身にやってもらうことが大切」と話します。
「最初は答えが見つからない子でも、やり方を変えて何回か試しているうちに、自然とできるようになる。みんな、やりながら自分で覚えていってくれるので、私たちボランティアスタッフはほとんど見守っているだけでした」(山本さん)
4人兄弟で揃って参加した子どもたちもいました。「子どもたちが積極的に興味を持ち、やりたいと言ったので今回の参加を決めました」とお父さん。下は2歳から上は10歳と年齢は離れているものの、各自が自分に合った教材を選び、夢中になって遊んでいたのだそう。5歳のかほちゃんは、「ゲームみたいで楽しかった。おうちに帰ってもやりたい!」と、大満足の笑顔を見せてくれました。
最後に、教室を終えた子どもたちには修了証が授与されました。どの子もとてもうれしそうです。
今回、ボランティアチームのリーダーを務めたのは、アマゾンジャパンのJapan Consumer Innovationチームのプロダクトマネージャー、ピエール・イブ・レヴァ(Pierre-Yves Leva)さんです。
レヴァさんは、「どのセッションでも、私たちが『今日はこれで終了です』と声をかけるまで、みんなが教材に熱中している様子でした」と、イベントを振り返ります。
「私たちAmazonはこの活動を通して、子どもたちがコンピュータサイエンスの基礎を学び、楽しむことができる機会を増やしていきたいと考えています。これはAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスの強い願いでもあります。Hour of Codeの教材やチュートリアルは、オンライン上で常時提供されています。今回、プログラミングに興味を持ってくれた子どもたちには、ぜひ自宅でも継続的に学習を続けてほしい。今後は東京だけでなく、日本各地でこうしたイベントを開催し、より多くの子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えていくつもりです」(レヴァさん)
Hour of Codeのサイトはこちら(どなたでも教材をご利用いただけます)