IT技術の進歩のスピードはますます加速するでしょう。子どもたちの世代が技術の進歩に追いつけるようにするために、早い時期からSTEMを学ぶことが重要だと思います
Amazon 社員 David Basken(デイビッド・バスケン)さん

Hour of Code™(アワーオブコード)とは、子どもたちを始めとして誰もがプログラミングを学べる教室。企業や教育機関などが支援し、約1時間のプログラミング教室を誰もが開催できるように45か国語に翻訳された教材と教室を開催する方法がインターネット上に公開されている。毎年12月初旬のコンピューターサイエンス教育週間に、世界各地で開催され、これまで世界180か国以上で1億人以上の人たちがプログラミングを学ぶ機会を得てきた。

昨年はアマゾンジャパンでも、社員有志によるボランティアチームが発足し、12月8日、9日の2日間に社員の子どもと友人家族を招待しAmazon社内で開催した。

その発起人となったのは、AmazonのプログラムマネージャーであるDavid Basken(デイビッド・バスケン)さん。現在日本に住み、2人の子どもを育てている彼は、かねてから子どもたちが興味を持てるSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育のアクティビティがないかを模索していたという。Amazonの社内報でHour of Code™があることを知った彼は、すぐに自分で開催することに決めた。

未来のエンジニアを育てる教室
デイビッド・バスケンさん

「まずは自分のチームに呼びかけ、そしてチームメンバーからほかのチームへ次々と声をかけてもらい、わずか2週間で約20人のボランティアが集まりました。ボランティアたちは、エンジニアだけでなく、職種もさまざまで、普段交流したことがない人とも知り合える良い機会になりました」

バスケンさんを中心にボランティアとなったアマゾニアンたちがそれぞれリーダーシップを発揮し、イベントの準備が着々と進められた。安全性や楽しめる環境づくりに配慮し、プログラミング教室の冒頭では、子どもたちがリラックスし率先して教室に参加できるよう、例示されたプログラムの指示どおりに立ち上がったり、座ったりするなど体を動かすことでプログラミングを理解できるように工夫した独自の説明を加えた。

参加者の募集をかけたところ、予想を超える反響があったため急きょセッション回数を2つ増やし、2日間で計6回のセッションに保護者を含む約500人が参加。子どもたちはゲーム感覚で楽しめる様々な教材から好きなものを選び、家族と一緒にプログラミングを楽しんだ。成功するとハイタッチをするなど親子で喜び合う姿が多く見られた。

未来のエンジニアを育てる教室
未来のエンジニアを育てる教室
未来のエンジニアを育てる教室

「コンテンツの中には難しいものもありましたが、子どもたちはとても興味を持ち、難しいパズルにも集中し楽しんでくれました。そのような姿に驚きましたし、とてもうれしかったです」と語るバスケンさん。彼はSTEM教育の重要性についてこう続けた。

「今後、企業や社会が必要とするIT技術の進歩のスピードはますます加速するでしょう。しかし教育のスピードはそれに追いついていません。その2つのスピードのギャップを埋め、子どもたちの世代が技術の進歩に追いつけるようにするためにも、早い時期からSTEMを学ぶことが重要だと思います。昨年は約200人の子どもたちが参加してくれましたが、もっと大勢の子どもたちが参加してくれるように、今年もぜひ実施して子どもたちを応援したいと思っています」

未来のエンジニアを育てる教室
子どもたちを見守るバスケンさん
未来のエンジニアを育てる教室
ボランティアスタッフたち。キーボードを打つ手振りでポーズ

Hour of Code™はComputer Science Education Week [csedweek.org]とCode.org[code,org]による国際的な活動です。1時間のコンピュータサイエンスとコンピュータプログラミングをたくさんの生徒たちに紹介しています。どなたでも、ご利用いただけます。詳しくはこちらのcode.orgのサイトをご覧ください。