アマゾンジャパンは2022年8月30日、日本での梱包の簡素化を進め、対象となる商品をさらに拡大したことを発表しました。段ボール製の箱や封筒などで梱包していた日用品などの一部の商品について、紙袋でのお届けを進めていきます。また、すでに大型・中型商品などの一部はメーカーによる梱包のままお客様にお届けしていましたが、その対象を小型の商品などにも拡大します。

アマゾンジャパンから梱包簡素化のお知らせ

今回の取り組みについて、オペレーション技術統括本部長で、オペレーション部門のサステナビリティの責任者も務める渡辺宏聡さんは、「Amazonにとって、梱包資材の削減とお客様により良いお買い物体験をご提供することは、取り組むべき最優先事項です。Amazonは今後もさらなる投資と努力により、梱包の簡素化を進めていきます」と話します。

渡辺さん
オペレーション技術統括本部長 渡辺宏聡さん

梱包簡素化の拡大を実現した背景について、このプロジェクトを推進したオペレーション技術統括本部 技術開発部長の内田昌宏さん、パッケージカスタマーエクスペリエンス部門シニアマネージャーの神田知子さんに話を聞きました。

これまでAmazonはどのように梱包の改善を行ってきましたか?

内田昌宏さん「おそらく『Amazon=段ボール箱』というイメージが強いかと思いますが、これまで私たちは、お客様がご購入された商品のサイズに合わせた梱包ができるよう、さまざまなサイズや種類の梱包材を開発してきました。ここ十数年の間、段ボール箱以外の梱包材も増やしています。たとえば芯の入った紙袋や段ボール素材の封筒などがあり、今では段ボール箱以外の梱包もかなりの割合を占めています。同様に、メーカーの商品箱のままお届けする取り組みも進めてきました。たとえば、プリンターの箱に直接ラベルが貼られているものなど、目にした方も多いのではないでしょうか。これはキャンプ用品など、一部の大型商品でも行っています」

内田さん
オペレーション技術統括本部 技術開発部長 内田昌宏さん

なぜ梱包の簡素化に取り組むのでしょうか。目的は何ですか?

内田さん「私たちは梱包の簡素化を通じて、梱包資材の削減に取り組んでいます。また、お客様により良いお買い物体験をご提供することも重要だと考えています。商品の保護に影響を与えることなく梱包を簡素化することで、お客様は簡単に商品を開封でき、梱包材の処理にかかっていた時間や手間を減らすことができます」

これまでの簡素化の取り組みとの違いは何でしょうか?

内田さん「今回の簡素化では、Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)など、出荷のオペレーション(作業手順)を追加し、対象となる商品を拡大しました。商品を保護しつつ、梱包資材を削減できるようオペレーションが工夫されています。これにより、これまで段ボール箱などでお届けしていた一部の日用品など、より多くの商品を紙袋でお届けできるようになりました。ただし、ギフトや危険物、壊れやすいものや液体は、紙袋でのお届けの対象にはなりません。また、メーカーの梱包のままでお届けする商品については、サイズや形、メーカー箱の強度などルールを設けていました。紙袋による配送と同様のオペレーションで配送することにより、これまで対象にならなかった小さいサイズの商品などについても、今回からメーカーによる梱包のままでお届けができるようになりました。ただし、これまで通り、危険物や壊れやすいもの、ギフト、お客様のプライバシーに関わる商品などはメーカーの梱包のままでお届けすることはありません。また、本やコレクター向け商品なども、Amazonによる追加の梱包無しでお届けすることはありませんので、お客様にはご安心いただきたいと思います」

真ん中に「取扱注意」と書かれたクラフト紙の紙袋。
紙袋による梱包
商品箱にアマゾンの配送シールが貼られている
Amazonによる追加の梱包を省いた、メーカーの梱包で配送される小型商品の例
FC内のベルトコンベヤーに「Package Free Shipping・取扱注意」と書かれた簡易包装商品を保護するコンテナが流れている
対象商品は、FC内を専用コンテナで保護されながら運搬される
たくさんのダンボールを詰んだカートに簡易包装商品を保護する段ボールも並んでいる
FCからデリバリーステーションなどへの配送時にも、専用コンテナで保護されたまま運ばれる

今回の取り組みの中で一番の課題は何でしたか? どのように克服しましたか?

内田さん「商品を保護しつつ梱包を最小限にする、その両方を実現することは簡単ではありません。課題解決のため、機械学習などの技術を活用し、Amazonの膨大な商品群を分析しました。壊れやすいものやギフトなど、最初から梱包の簡素化の対象にならないものがある一方、これまでしっかりと梱包していたものでも、実は追加で梱包する必要のない商品もあります。このように商品一つひとつを分析していくことで、商品それぞれに合った最適な梱包状態を見つけることができます。そしてお客様からの声も大変重要です。いただいたフィードバックを真摯に受け止め、改善を図っています」

神田知子さん「一番難しかったのは、すでに確立されたFCやデリバリーステーションなど配送拠点でのオペレーションを変えることでした。生産性や安全性を保ちつつ、新しいプロセスを導入することが極めて重要でした。他部署から梱包の簡素化への協力を得るために、梱包担当チームが一丸となって各関連部署に説明をして回り、一つひとつ課題を解決していきました。本当に地道な作業でしたね。ただAmazonとして、梱包資材を削減すること、そしてお客様により良いお買い物体験をご提供していくという目標は関係者全員が共有していますので、課題解決の方法で議論になっても、何を目指しているのかという点で意見が合わないことはありませんでした」

神田さん
パッケージカスタマーエクスペリエンス部門シニアマネージャー 神田知子さん

梱包の簡素化を通じて、お客様に伝えたいことは何でしょうか?

神田さん「梱包の簡素化はAmazonのさまざまな部門が力を合わせて実現した取り組みではありますが、お客様にとっては、普段の生活と何も変わらず、お客様が気づかないくらい、日常に溶け込むものであってほしいと思っています。Amazonとしてすべきことは、お客様が何を求めていらっしゃるかを考えることです。その1つが、欲しいときに商品が届く、そしてすぐに使えるようにするためのインフラを整えることです。梱包の簡素化はそのための1つの手段にすぎません。最小限にとどめられた梱包が日常の風景になることで、世の中の認識も変化し、結果的として持続可能な社会の実現にもつながっていくと思っています」

ホワイトボードに梱包簡素化についての説明を書いて話をしている3人
(左から)内田さん、渡辺さん、神田さん

Amazonは梱包について、商品の保護、リサイクルのしやすさ、そして資材の削減が重要であると考えています。すべてリサイクル可能な梱包材の開発や、資材の使用をさらに抑えることで、Amazonは梱包の削減に向けたイノベーションを続けていきます。Amazonは2015年から、出荷時の梱包重量を38%、梱包資材を150万トン以上削減しました。

その他、AmazonとGlobal Optimismは2019年、パリ協定よりも10年早い、2040年までにネットゼロカーボン(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を約束する「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」を共同で立ち上げました。Amazonは世界最大の再生可能エネルギーの購入企業であり、当初の目標である2030年よりも5年早く、2025年までに自社の事業を100%再生可能エネルギーで運営する取り組みを進めています。

Amazonは地球上で最もお客様を大切にする企業になることを目指し、これからもお客様、そして地球環境のために持続可能な事業を構築していきます。

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