AmazonとGlobal Optimismは2021年2月17日、世界の企業20社が新たに「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」に参加したことを発表しました。本誓約に新たに署名した企業は、アクシオナ、Colis Prive、Cranswick plc、ダーボン・グループ、FREE NOW、Generation Investment Management、Green Britain Group、ホテルベッズ、IBM、Iceland Foods、インターフェイス、ジョンソンコントロールズ、ミアー、オーステッド、Prosegur Cash、Prosegur Compañia de Seguridad、スラローム、S4Capital、UPM、Vanderlandeです。
今回、新たに署名した企業を加えると、全世界の事業において二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロ化に向けて取り組むことを約束した企業は世界12カ国の18業種、53社となり、ビジネス界のCO2排出量を大幅に削減できることが期待されています。CO2排出量の実質ゼロ化への道のりは企業ごとに異なりますが、署名企業53社はすべて、パリ協定の目標を10年前倒しで達成するという「The Climate Pledge」の野心的な目標の達成に向けて取り組むことになります。
この誓約に署名した企業は、以下のことに同意しています。
- 温室効果ガス排出量を定期的に計測、報告する
- 効率改善、再生可能エネルギー、原材料削減、その他のCO2排出量削減戦略など、本質的なビジネス変革やイノベーションを通じ、パリ協定に沿った脱炭素化戦略を実行する
- 本質的かつ永続的で、定量化ができる、社会に有益なオフセットを追加で提供することで、残りのCO2排出を中和し、パリ協定の達成目標である2050年よりも10年早い2040年までに年間CO2排出量の実質ゼロ化を実現する
新たに署名した20社は、エネルギー、農業、金融サービスなど、さまざまな分野の企業です。
現在、各社とも、科学的根拠に基づき、インパクトのある変化を事業に取り入れ、バリューチェーンの脱炭素化を進めています。これには、循環型経済の革新、クリーンエネルギー・ソリューションの導入、サプライチェーンの動員などが含まれ、2040年までにCO2排出量の実質ゼロ化を達成することを目指しています。
Amazonの創業者兼CEO(最高経営責任者)であるジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は、次のように述べています。
「米国がパリ協定に正式に再加盟し、気候変動との戦いにおいて重要な一歩を踏み出しました。それを受けて、同協定の目標をさらに前倒しで達成したいと考えている20社を、新たに『The Climate Pledge』に迎えることができたことを大変うれしく思います。Amazonは2019年に、パリ協定の目標を10年前倒しで達成することを企業に奨励する『The Climate Pledge』を共同で立ち上げました。これまでに世界12カ国の18業界から53社が参加しており、驚くような勢いでこの誓約への署名が広がっています。今後も署名企業と共に、総合的な規模を活用して、経済の脱炭素化と未来の世代に向けた地球環境の保護に貢献していきます」
Amazonとグローバルオプティミズム(Global Optimism)は、これらの新たな署名企業を歓迎し、各社の取り組みに感謝します。
アクシオナ
アクシオナ(ACCIONA、ANA.MC)は、再生可能エネルギーから水処理プラント、大量輸送システム、その他の低炭素社会インフラに至るまで、持続可能なソリューションを提供するグローバル・リーダーです。気候変動とその影響を緩和することは、同社の事業の根幹を成しています。アクシオナは、再生可能エネルギーのみで運営される世界で最も環境に優しい電力会社であり、持続可能なインフラのあらゆる分野における革新企業でもあります。
アクシオナは2016年に、エネルギーおよびインフラ分野の企業として初めてカーボンニュートラルを達成しました。最新の気候科学に基づき、2017年から2030年の間にエネルギー消費による直接CO2排出量を60%削減するとともに、バリューチェーンのCO2排出量を47%削減することを約束しています。これは、パリ協定の最も野心的な目標である、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5℃以下に抑えることと一致しています。アクシオナのCO2排出量削減目標は、SBT(Science Based Targets)イニシアティブによって承認されています。
Colis Prive
Colis Priveは、EC事業者から商品を受け取り、最終的な配送を行う宅配・中継サービスを提供する、ラストワンマイル事業のリーダー企業です。1993年の創業以来、一貫して配送サービスの向上を追求し続けています。フランス国内に4つの拠点を持ち、3,500人の配達員を擁すColis Priveは、これまでに6,300万個以上の商品を配達してきました。自社の事業が環境に大きな影響を与えていることを認識しているColis Priveは、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組んでおり、特にラストワンマイル配送に起因する排出量の削減に注力しています。
また、同社は、エネルギー使用量を継続的に削減する、運用可能で持続可能なエネルギー管理システムを構築するための正確なフレームワークをグローバル企業に提供することを目的としたエネルギー管理規格ISO 50001を導入し、エネルギー効率を倍増させています。
Cranswick plc
英国最大級の食品メーカーであるCranswick plcは、農業から調達、生産に至るまで、事業全体で持続可能な活動に取り組んでいます。同社が策定した持続可能性戦略「セカンドネイチャー」を中心に、2040年までに農場の脱炭素化、サプライチェーンや生産における食品ロスや資源の無駄の大幅な削減に注力しています。Cranswick plcはこの2年間で、電力供給を100%グリッド供給再生可能エネルギーに切り替えた他、食品廃棄物を総生産量の0.4%にまで削減し、事業におけるプラスチックの使用を1,200トン以上削減するなど、脱炭素化に向けて大きな進歩を遂げています。
ダーボン・グループ
コロンビアのサンタマルタを拠点とするダーボン・グループ(Daabon Group)は、バナナ、ハスアボカド、コーヒー、パーム油などの有機農作物の生産・加工における南米のリーダー企業です。同社は、持続可能な方法で生産プロセスを管理・開発するために、循環型経済に幅広く取り組んでいます。ダーボンは、Rainforest AllianceとRSPOによって持続可能なパーム油の認証を受けたラテンアメリカ初の有機パーム油会社です。同社は、有機廃棄物から発生するメタンガスを回収し、エネルギー用の燃料として利用する革新的なプロセスを開発しています。
FREE NOW
欧州の150以上の都市で5,000万人以上の乗客に配車サービスを提供しているFREE NOWは、より環境に優しい交通手段の提供が急務であることを認識しています。同社は、2025年までに欧州全土で自社の車両の50%についてガスを排出しない「ゼロエミッション」化し、2030年までにすべての乗客の移動をゼロエミッション化することをすでに約束しています。これらの野心的な目標を達成するために、FREE NOWは、ドライバーに電気自動車への乗り換えを促し、より多くのお客様に電気自動車を選択してもらうよう、数百万ドルを投資しています。
Generation Investment Management
2004年に設立されたGeneration Investment Management(以下、Generation)は、持続可能な投資の発展において不可欠な役割を果たしており、このアプローチの長期的なメリットを実証しています。同社は、投資判断、投資先企業へのエンゲージメント、そして幅広いアドボカシー活動やインパクト・イニシアチブにサステナビリティの要素を取り入れています。
Generationは、気候変動に関するパリ協定の目標に沿って、2040年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ化する投資ポートフォリオの構築に取り組んでいます。同社は、投資運用業界全体に率先して働きかけ、CO2排出量の実質ゼロ化の目標に向けて貢献する意思のある運用会社の連合体を構築することに尽力しています。また、2020年12月には、パリ協定締結5周年を機に、「ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ(Net Zero Asset Managers initiative)」を立ち上げました。このイニシアチブは、9兆ドル以上の資産を運用する30の資産運用会社を設立署名企業として発足しました。
Green Britain Group
Green Britain Groupは、ビジネスを通じた持続可能性の追求を目指しています。主な事業は、世界初のグリーンエネルギー企業であるEcotricityと、FIFA(国際サッカー連盟)により最も環境に優しいサッカークラブとして認められているForest Green Rovers(FGR)です。
起業家のデール・ビンスOBE博士が設立したGreen Britain Groupは、エネルギー、輸送、食品の3分野における環境と持続可能性の課題に取り組んでいます。Ecotricityは、英国全土に広がる風力・太陽光発電所のネットワークを通じて、100%再生可能な電力とカーボンニュートラルなガスを供給しており、現在、20万軒以上の家庭や企業に電力を供給しています。FGRは、2017年に国連からカーボンニュートラルの認証を受けた世界初のスポーツクラブとなり、世界で最もグリーンなサッカークラブとして認知されています。FGRは最近、持続可能性の追求において、実現可能なソリューションを紹介するために設計された、先駆的な新しいオールウッドスタジアムであるEco Parkの建設計画許可を得ました。
ホテルベッズ
ホテルベッズ(Hotelbeds)は、持続可能な観光をリードするために、環境への取り組みをさらに強化しています。Carbon Footprint Ltd.から3年連続でカーボンニュートラルの認定を受けたホテルベッズは、GSTC(グローバル・サステイナブル・ツーリズム協議会)と緊密に連携しながら、事業全般でCO2排出量の削減に優先的に取り組み、すでに大きな成果を上げています。2020年には、旅行業界における持続可能性への移行を加速させることを目的とした「The Green Hotels Program」を開始しました。現在、ホテルベッズのポートフォリオの内、15,000以上の施設がサステイナブル認定を受けています。
IBM
IBMは、地球を守る取り組みの一環として、2030年までにCO2排出量の実質ゼロ化を達成できるように取り組んでいます。同社は、1971年に環境責任に関する最初の企業方針を発表して以来、何十年にもわたって環境面でリーダーシップを発揮してきました。
IBMは1990年から環境パフォーマンスを公開し、1995年にはCO2排出量の公開を開始、2000年からはCO2排出量の削減目標を継続しています。2007年には気候変動に関する立場を公式に表明し、「気候変動は深刻な懸念であり、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるためにグローバル規模で意義ある行動をとることが必要である」と宣言しています。2015年からはパリ協定を全面的に支持しており、2019年にはClimate Leadership Councilの創設メンバーとなり、「炭素の配当」付きの炭素税の導入を求める超党派の計画を支持しています。
Iceland Foods
Iceland Foodsは、お客様、パートナー、コミュニティ、そして地球にとって正しいことを行う、成長性、収益性、責任感のある事業の構築を目指しています。同社は、環境に配慮し、持続可能な活動を行ってきた長い歴史があり、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿って事業を行っています。Iceland Foodsは、使い捨てプラスチックの使用を削減し、飲食物に関連するCO2や廃棄物を削減するソリューションの開発とその導入に注力しています。同社は、2011年以降、CO2排出量を74%削減するなど、持続可能性の取り組みにおいて大きな成果を上げています。
インターフェイス
インターフェイス(Interface)は25年以上にわたり、気候変動対策に注力してきました。まず、事業活動やサプライチェーンにおいてCO2排出量を削減し、次に製品のCO2排出量を削減してきました。
昨年、同社は、工場での原材料入手から製品出荷までの全工程でカーボンマイナスとなる世界初のタイルカーペットを発表し、2018年には、同社のすべての床材製品が、製品の全ライフサイクルにおいてカーボンニュートラルであることを保証する「カーボンニュートラル・フロア」プログラムを開始しました。環境への取り組みをさらに強化できると考えるインターフェイスは、2040年までにカーボンマイナス企業になることを目標に、さらなるCO2削減の機会を継続的に模索しています。
ジョンソンコントロールズ
ジョンソンコントロールズ(Johnson Controls)は、スマートかつ健全で、持続可能な建物を提供するグローバル・リーダーで、人、場所、そして地球に貢献するために建物の性能を再構築することを企業理念としています。環境の保護・保全に長年取り組んできた同社は、お客様や地域社会が、建物の運用を合理化し、エネルギー効率を高めることで環境目標を達成できるように支援しています。
ジョンソンコントロールズは、ソリューション、人材、パートナーシップ、パフォーマンス、ガバナンスを重視することで、バリューチェーン全体でサステナビリティを推進しています。同社はすでに、温室効果ガスの排出強度の低減、クリーンエネルギーへの依存度の向上、多くの工場における廃棄物削減の改善などで大きな成果を上げています。
ミアー
ミアー (MiiR)は、社会的・環境的使命を通じて、考え抜かれたデザインのドリンクウェアを創造する、寛容を重視した企業です。ミアーの商品が売れるたびに、その売上の一部が世界中の追跡可能なプロジェクトに寄付され、これまでに社会・環境問題に取り組む非営利団体に160万ドルを寄付してきました。同社は2010年の設立以来、世界中の数多くの非営利団体と提携し、飲料水・衛生・トイレ(WASH)分野における長期的かつ持続可能なプロジェクトに資金を提供しています。
また、地球上の天然資源を次世代のために保護・保全することに焦点を当てたプロジェクトを数多く立ち上げている他、強固なコミュニティを構築する組織やプログラムにも投資しています。ミアーでは、すべての商品にGive Codeと呼ばれるトラッキングナンバーを付与しており、お客様は自分が購入した商品がこれらの寄付プロジェクトにどのように貢献しているかを追跡することができます。
オーステッド
オーステッド(Ørsted)は、2025年までにエネルギーの生成と運営をカーボンニュートラルにすることを目指しています。以前は欧州で最も化石燃料を消費する電力会社のひとつでしたが、現在は「Global 100 Index(世界で最も持続可能な企業100社)」において世界で最も持続可能なエネルギー企業に選出されています。すでに、この野心的なコミットメントに向けて重要な前進を遂げており、2006年以降、自社のCO2排出量を87%削減することに成功しています。現在、同社は世界の洋上風力発電の30%以上を設置しているほか、世界最大の洋上風力発電所である英国のHornsea 1を運営し、英国の100万戸以上の家庭に電力を供給しています。
Prosegur Group
Prosegur GroupのメンバーであるProsegur Compañia de Seguridadとその子会社Prosegur Cashの2社は、2040年までにCO2排出量を実質ゼロ化することに取り組んでおり、持続可能な事業活動への注力を強化しています。
民間警備会社のグローバル・リーダーとして、Prosegur Groupは、環境への影響の低減、質の高い雇用の創出、従業員の健康と安全の確保、規制の遵守、人権とグッドガバナンスの尊重において、模範を示して主導するように取り組んでいます。同社は、すでに車両の脱炭素化を目ざし、業務用および商用の車両にハイブリッド車や電気自動車を導入しています。また、Prosegur Cashは、世界初のゼロエミッションの100%電気装甲車を導入しました。
スラローム
スラローム(Slalom)は、持続可能な責任ある方法で事業全般を運営し、世界最大の課題に対する革新的なソリューションの創出に取り組んでいます。昨年発表した同社初の「企業の社会的責任報告書」には、2030年までにカーボンニュートラルを達成し、100%再生可能エネルギーに移行するという意欲的な目標が含まれています。スラロームは、自社の事業活動においてCSR活動を推進すると同時に、その専門性を高めることで、お客様のCSR活動を支援しています。
S4Capital
S4Capitalは、創造性とテクノロジーの力を、より大きな利益のために活用することを目指し、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の「人権、労働、環境、腐敗防止に関する10原則」への支持、欧州グリーンディールへの署名、2020年からの温室効果ガス排出量の報告を約束するなど、一連の行動でその姿勢を示しています。同社は、ブランドの内面と外面の両方の変革を支援できるよう、クリエイティブおよびマーケティング業界において同業他社にはない模範的なサステイナブル・プラクティスを採用することに注力しています。
UPM
UPMは、化石を超えた未来を創造することを目指した、森林産業のグローバルなリーダー企業です。同社は、化石由来の原材料や製品の代わりに、再生可能でリサイクル可能な原材料や製品を提供し、持続可能な選択肢に対する世界的な需要の高まりに応えています。UPMは、革新的な製品の開発、持続可能な林業の実践、そして自社の生産とサプライチェーンにおける大幅なCO2排出量の削減を通じて、気候変動を緩和し、価値創造を推進するよう取り組んでいます。
UPMは、国連の「Business Ambition for 1.5°C」イニシアティブにコミットしており、2030年までにCO2排出量を65%削減する目標を掲げています。この目標はSBTイニシアティブによって承認されています。UPMは、科学者やその他のパートナーと協力して、環境問題に関して積極的な役割を果たし、共に変化を促し、可能な限り大きな影響を与えていきたいと考えています。
Vanderlande
Vanderlandeは、マテリアルハンドリングおよび物流企業として、その活動の基本方針としてサステナビリティを優先しており、同社のソリューションを通じて、お客様の持続可能な目標に貢献することを目指しています。Vanderlandeは、主要な拠点すべてにエネルギー・モニタリング・ソフトウェアを導入し、エネルギー効率の高い技術を使用しながら、増加する拠点にプロセスエンジニアを配置することで、エネルギー消費を改善しています。
「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」の詳細はこちらを参照ください。www.theclimatepledge.com
*この記事は2021年2月17日にアメリカ版のAbout Amazonで発表された記事の日本語訳です。