自社ECと並行してAmazonで商品の販売を行う2社の中小企業は、なぜ、ECの販路拡大にAmazonを選んだのでしょうか? Amazonに出品した経緯を振り返ってもらうとともに、Amazonのサービスがもたらしたさまざまなメリットを紹介します。
京都の四季折々の風景を描いたグラスをAmazonに出品して販売
京都府にある株式会社コトラボは、京都の四季折々の風景をモチーフにしたグラスをAmazonで販売しています。同社の主力商品は化粧品ですが、グラスの開発・販売に至るまでには「紆余曲折がありました」と代表取締役の夏原基樹さんは振り返ります。
夏原さん「起業する前は化粧品メーカーに研究員として勤務し、化粧品の開発・製造に携わっていました。OEMとして数々の化粧品の開発に携わる中で、生まれ故郷である京都の魅力を活かした化粧品を自分の手で作ってみたい、良質な商品を適正価格でお届けしたいと考え、2013年に起業しました」
そこで、宇治茶や京野菜のエキスを配合した化粧品を開発。京都の百貨店や土産物店へ卸し、観光客を中心に人気を集めたと言います。
夏原さん「経営も安定し、満を持してショップ兼工場を建設した矢先の2020年、コロナ禍に見舞われ、観光客が激減し、百貨店や土産物店は休業を余儀なくされました。ショップ兼工場を泣く泣く売却することでピンチをしのぐ中、2022年、自社ECを開始しました。なんのノウハウもない一からのスタートでしたが、予想以上に化粧品が売れたおかげで、なんとか窮地を脱することができたのです」
Amazonなら商品の特徴をしっかりとお客様に伝えることができる
グラスの開発に着手したのは2021年。「外出がままならない日々の中で、自宅にいながら京都の景色や四季に思いを馳せ、癒されてほしい」という願いを込めた商品です。
夏原さん「ただ、自社ECへの集客は難しく、広告にお金をかける余裕もありませんでした。そこで、2022年末からAmazonに商品を出品しました。日々、多くのお客様がご利用されていることが、Amazonを新たな販路に選んだ理由です。すでに自社EC用の商品画像や商品説明文があったので、Amazon用に新規で用意するものはなく、Amazonへの出品作業は非常にスムーズでした。出品画面や操作方法もわかりやすく、特別なITの知識がない自分でも簡単に出品することができました」
商品ページにさまざまな情報を掲載できる点も、Amazonのメリットだと夏原さんは続けます。
夏原さん「このグラスは温度によって色が変化し、グラスに描かれた桜や紅葉が色づくという特徴を持っています。それを伝えるために、Amazonの商品ページに色の変化のビフォーアフターを伝える動画や画像を掲載しています。店頭販売では伝え切れない商品の特徴を、お客様にしっかりと伝えられるメリットは大きいですね」
Amazonのスポンサープロダクト広告を利用した効果も大きかったと言います。
夏原さん「スポンサープロダクト広告を利用すると、目に見えて商品ページのアクセス数が増え、売上向上にもつながっています。色が変化するという商品特徴の認知度が高まり、購入時にギフトの設定をされるお客様も増えています。大切な人への贈り物に当社の商品が選ばれていると思うと、本当にうれしいですね」
少人数で業務に対応するためにも、FBAによる業務効率化は不可欠だった
Amazonが商品の保管、注文処理、梱包、配送、さらには注文や商品に関するカスタマーサービスを代行するフルフィルメント by Amazon(FBA)も、「当社にとってなくてはならないサービス」だと夏原さんは言います。
夏原さん「当社の従業員は6名と少人数のため、FBAを活用して配送業務や配送に関するカスタマーサービスなどをアウトソーシングしています。最近は、Amazonの商品ページに誘導するSNSの施策を始めました。そうした業務に少人数で対応するためにも、FBAは不可欠でした」
また、Amazonの担当者のサポートも手厚いと言います。
夏原さん「初めて出品した時はもちろん、出品後も効果的な広告運用などのアドバイスをもらっています。当社は外部のECコンサルティング会社にもサポートしてもらっているのですが、そことの打ち合わせにAmazonの担当者も同席し、一緒に販売戦略を練ってくれています。多岐にわたるサポートはありがたいですね」
コロナ禍を経た現在は卸販売も復調し、化粧品のプロデュースという新たな事業に着手している同社は、Amazonでの販売により力を入れて行く予定だと言います。
夏原さん「ECを中心に卸販売、プロデュース業務を三本柱に据えることで、業績が大きく改善しました。紆余曲折ありましたが、Amazonに販路を拡大し、多くのお客様に商品をお届けできる毎日に喜びを感じています」
カーケア用品ブランドをAmazonに出品して販売
カーケア用品ブランド「DETAIL ARTIST」を展開する大阪府の株式会社トップランは、2023年7月からAmazonで商品を販売して以降、短期間で成長を遂げています。「1990年代から中古車販売を手がける中で、毎日のように洗車をした経験から生まれたのが当社のカーケア用品です」と語るのは、代表取締役の塚田勝彦さんです。
塚田さん「中古車を販売する際、洗車をして車をきれいな状態にすることはとても重要です。けれど、市販のカーケア用品は汚れが落ちづらかったり、泡立ちが良くなかったりと、満足のいくものがなかなかありませんでした。だったら自分で作ろうと考え、2003年からコーティング剤を中心にカーケア用品の開発・販売を始めました」
2008年以降は事業をカーケア用品の開発・販売に絞り、2014年にトップランを設立。ECでの販売に力を入れて行きました。
塚田さん「販売当初はラジオ通販で販売し、2015年以降はECにシフトしました。当初からカー用品店などへの卸販売を行っていない理由は、少数精鋭の雇用を方針にしていたからです。卸販売にはカー用品店向けの営業スタッフが必要ですし、棚の奪い合いはし烈です。商品の販路として、ECが最も効率的かつハードルが低かったのです」
Amazonへの出品は驚くほどスムーズだった
機能性とデザイン性の両立を図った「DETAIL ARTIST」のカーケア用品は、2023年、自社ECとAmazonに出品して販売を開始しました。
塚田さん「Amazonを選んだ理由は、商品を出品するハードルの低さです。特別な知識は必要ありませんし、出品時に必要な製品コードの取得もスピーディに行えます。Amazonへの出品方法を学べる無料トレーニングのAmazon出品大学を視聴したので、画像のアップロードといった操作も簡単に行うことができました。ストア機能を使ってブランドを紹介するページを作る際も、自社ECの情報をそのまま使えるので手間がかかりません。自社ECを立ち上げていたので、Amazonへの出品は驚くほどスムーズでしたね」
Amazonに出品した理由は、ほかにもあると言います。
塚田さん「まず、当社の従業員が日常的にAmazonで買い物をするなかで、商品の見つけやすさや使いやすさを実感していること。そして、Amazonは新規参入ブランドでも、商品力さえあれば多くのお客様にリーチできることも、Amazonを販路に選んだ大きな理由です」
結果的に、「Amazonに出品することで得られたメリットは非常に大きい」と塚田さんは言います。
塚田さん「Amazonの担当者が出品時から並走する形でサポートしてくれました。広告運用などについても親身になってアドバイスをくれる点も助かっています。また、FBAによる業務効率化の恩恵も大きく、限られた人数の従業員でさまざまな業務を担当し、商品開発の時間を生み出すことに役立っています」
Amazonのカスタマーレビューを商品改良に活用
「DETAIL ARTIST」は、洗車を掃除ではなく、趣味のように楽しんでほしいという価値創造の観点から、SNSでさまざまな情報発信を行っている点が特徴です。
塚田さん「心斎橋駅の地下駐車場にアンバサダーサロンとして洗車場をオープンするなど、リアルとデジタルの垣根を超えたタッチポイントを意識しています。Amazonのカスタマーレビューもくまなくチェックし、商品の改良に役立てています。お客様の声を何よりも大切にすることで、1人でも多くのファンに愛されるカーケア用品のトータルブランドに育てていきたいですね」
自社ECとAmazonで商品を販売している株式会社コトラボと株式会社トップランは、いずれもAmazonへの出品は簡単で、新規参入でもお客様にリーチしやすいと語ります。商品の特徴やブランドの魅力を伝えるAmazonの出品サービスは、中小企業の成長を後押ししていると言えるでしょう。
Amazon出品サービスとは?
Amazonに商品を出品し、世界中の3億人以上のお客様にリーチすることができるサービスです。この集客力でご自身のブランド認知度を上げ、広い顧客層にアピールし、新規顧客獲得を目指すことが可能です。また、フルフィルメント by Amazon(FBA)を通じて、簡単にスピーディーに多くのお客様に商品をお届けするお手伝いをします。
本連載について
Amazonでの販売を支援する「Amazon出品サービス」、ビジネス上の購買をサポートする法人向けサービス「Amazon ビジネス」、決済サービス「Amazon Pay」、クラウドサービス「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」など、Amazonはさまざまな企業の課題を解決する多様な選択肢を提供しています。本連載では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む中小企業と、そのDXをさまざまなカタチで支援するAmazonのストーリーをご紹介します。
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