Prime Video(プライムビデオ)で、2024年10月11日からプライム会員向けに見放題独占配信する話題の韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』(全6話)。東京で行われた来日記者発表イベントでは、W主演の坂口健太郎さんとイ・セヨンさん、監督のムン・ヒョンソンさんが、撮影のエピソードや思い出に残るロケ地、愛について語りました。


「言葉や文化の違いは関係ない」 海外制作ドラマ初出演の坂口健太郎さん

韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』は、日本と韓国を舞台に、運命的な恋に落ちる潤吾とチェ・ホンの出会いから5年を経ての再会を描く、透明感に満ちた美しいラブストーリーです。坂口健太郎さんは、大学生から小説家となり、強く惹かれ合ったホンと思いがけない形で再会する潤吾を、イ・セヨンさんは、日本への留学中に潤吾と恋に落ち、突然の別れに傷心を抱えながら韓国へ帰国したホンを演じています。そして、このドラマを監督したのは、映画『ハナ 奇跡の46日間』などを手がけたムン・ヒョンソン監督。本作は韓国でも大きな話題を呼び、いよいよPrime Videoで独占配信されます。

イベントでは、ドラマにかける思いや印象深いロケ地、ドラマのキーワードでもある「変わらない愛」が話題に。まずはイ・セヨンさんとムン・ヒョンソン監督が、日本語であいさつされ、続いて坂口健太郎さんがドラマの見どころを紹介しました。

坂口健太郎さん(以下、坂口さん):『愛のあとにくるもの』は、日本人の男性と韓国人の女性が日本で出会い、恋に落ちて、幸せな時間があって、(その後)日本と韓国へ離れてしまうんですけど、再び韓国でめぐり合います。1つの恋愛をいろいろな角度から見つめるという多角的な視点も見どころのドラマです。10月11日から配信になり、日本の方に見ていただけることを、すごくうれしく感じています。

黒いスーツを着ている男性(坂口健太郎さん)は、柔らかい照明がクラシックデザインの部屋のピアノに寄りかかっている。
潤吾(ジュンゴ)役を演じた坂口健太郎さん

次に坂口健太郎さんが語ったのは、初めて韓国の制作チームに参加した心境です。坂口さんは韓国でも絶大な人気がありますが、韓国ドラマはもちろん、海外制作のドラマに出演するのは、初めての経験でした。

坂口さん:実は撮影に入る前、言葉も文化も違う韓国の制作チームと一緒に仕事をすることに、少し不安な気持ちがありました。今まで僕が日本でドラマや映画に出演してきた経験が通用しないんじゃないかって。でも、日本より先に韓国での撮影が始まり、ムン監督やセヨン、共演やスタッフの皆さんたちと一緒にシーンを丁寧に作り上げる時間を過ごしたことと、台本という道しるべがあれば、言葉や文化の違いは関係ないんだな、というのを強く感じました。そんな思い入れのある作品を日本でもたくさんの方に見て欲しかったので、日本での配信が決まったときは、すごくうれしかったです。


思い出のロケ地は、東京の井の頭公園とソウルのヨルトン公園

撮影現場でのチームワークのよさが伝わる坂口さんの話を受け、主演の2人に思い出に残るロケ地について話してもらいました。子役時代から活躍するセヨンさんは、ドラマ『赤い袖先』など数々の作品に出演し、日本の韓国エンターテインメントファンにもすっかりおなじみの俳優です。

イ・セヨンさん(以下、セヨンさん):一番、記憶に残っているのは、潤吾とホンが出会った場所でもある井の頭公園です。去年の冬、ファンミーティングで来日したとき、初めて行った場所なんです。広くて美しく、自然が豊かな景色を目の当たりにして、「公園というのは、こんなに美しいところなんだ」と思いました。地味ながらも華やか、とでも言うのでしょうか。「この公園にまた来たい。また撮影できたらいいな」と思っていたら、偶然、ロケ地に。その時も美しいと感じましたし、一番、印象深い場所になりました。

長いストレートヘアの黒いドレスを着ている女性(イ・ヨセンさん)が、エレガントな装飾が施された部屋でテーブルの前に立っている。
ホン役を演じたイ・セヨンさん

坂口さん:セヨンが日本のロケ地をおっしゃったので、僕は韓国のロケ地についてお話ししますね。僕は、クランクインの場所になったソウルのヨルトン公園が印象に残っています。『愛のあとにくるもの』は、2人が再会するところから物語が始まります。再会までに5年も年月があると、どうしても関係は少し冷えてしまいます。ヨルトン公園でのロケは、朝日が昇る前に集合して撮影が始まったんですけど、公園のなかは、樹木の葉が落ちて幹だけになり、空気はとても澄んでいました。とてもさびしく、わびしさ、哀しさも感じる景色が、そのときの2人の感情によく合っていたので、すごく印象に残っています。


原作は、辻仁成さんとコン・ジヨンさんのコラボによる同名小説

『愛のあとにくるもの』は、日本の人気作家の辻仁成さんが韓国の人気作家のコン・ジヨンさんとコラボレーションして生まれた同名小説が原作です。ムン・ヒョンソン監督は、9年前に原作と出会い、映像化したいと思い続け、念願かなってのドラマ化でした。

ムン・ヒョンソン監督(以下、ムン監督):私は子どもの頃からメロドラマやラブストーリーのドラマをたくさん見て育った世代です。そして、いつか愛の物語を作りたいと思うようになりました。それも、韓国と日本にまつわるストーリーで、何か撮ってみたいというロマンを漠然と抱いていたんです。そして、原作と出会い、タイトルを見ただけで、子どもの頃から夢見ていたラブストーリーだと確信しました。「すぐにトライしたい。挑戦したい」と願い、準備を始めたんです。

日韓合同の制作チームのなかで、日本人の男性役を坂口健太郎さんにお願いすることは長い時間悩むこともなく、「満場一致」で決まったそうです。ムン監督は、坂口さんに出演してくれたお礼の言葉を述べました。坂口さんを「私にとっての恩人」だというムン監督の気持ちを受け止め、少し照れた表情を見せながら、坂口さんはこう話しました。

坂口さん:僕のほうがお礼を言いたいです。韓国語が堪能ではない僕を潤吾役にキャスティングしてくださって、ムン監督には心から感謝しています。セヨンさんも撮影現場で、すごくポジティブで明るい雰囲気を作ってくださったので、僕はポンと入るだけでよかったんです。お二人のおかげで、とても風通しがいい現場でした。いろいろ不安があるなかで、ムン監督とセヨンさんとお仕事ができたことは得がたい経験でしたし、お二人は恩人という思いでいっぱいです。


撮影終了の掛け声は坂口健太郎さんが新しく覚えた韓国語のフレーズで

日本と韓国の豊かな交流にもなった撮影現場ですが、1日の撮影が終わった瞬間は、坂口さんが覚えたての韓国語を披露する時間でもあったそうです。

坂口さん:いつから始まったのかは覚えていないんですが、撮影が終了し、「お疲れさまでした。明日も頑張りましょう」と、韓国語で出演者やスタッフさんに言っていたら、いつのまにか定例化してしまって……。途中からは、最後のカットが始まる前から助監督さんが僕の後ろでトランシーバーを持って待機するようになりました。「カット!OK!」の声がかかったら、さっとトランシーバーが手渡され、覚えたばかりの韓国語をしゃべるんです。最終日まで続きました。でも、そのとき、僕がすごくふざけるので、お二人は大丈夫だったんでしょうか?(笑)

会場で坂口さんが隣に座るセヨンさんの方を向くと、セヨンさんはにっこりしながら、日本語でこう話しました。

セヨンさん:健太郎さんの韓国語は、本当に上手です。私の日本語より(笑)。

坂口さん:彼女のほうが上手ですよ。ホン役として日本語を話すときも、どんどん上達していくし、普通にしゃべっていても、会うたびに彼女の日本語はアップデートされていきました。現場で見せない苦労を陰でたくさんされていたと思います。でも、撮影現場では、とてもポジティブな風を持ち込んでくれたので、僕はそれにすごく助けられました。

ウェーブヘアの男性がスーツを着ており、ロングヘアの女性が黒いトップスを着て、お互いに寄り添っている。

3人が胸に抱く「変わらない愛」への想い

『愛のあとにくるもの』では、ホンが潤吾に問う「変わらない愛があると信じますか?」の言葉が大切な意味を持ちます。では、坂口さんとセヨンさん、ムン監督は「変わらない愛」について、どう考えているのでしょうか。

坂口さん:僕は愛に終わりはないと思うんですけど、変化していくものだな、とは思います。愛は見えないものだけど、出会ったときと時間が経ってからでは、愛の熱量や色や形、重さも違ってくるし、変わってくると思います。でも、終わることはないだろうな。

ムン監督:変わらない愛があるかどうかは、人それぞれに違う考えがあるでしょう。私個人としては、変わらない愛も愛ですし、変わる愛も愛だと思っています。『愛のあとにくるもの』を見ていただければわかりますが、ドラマでは、演出的にも演技的にも、愛に対して、簡単に何かを定義しないように努めました。たくさんの愛を見せたいと思ったのです。さまざまな愛に対する感情をあちこちの場面に溶け込ませる演出をしました。

セヨンさん:私は変わらない愛があると信じます。あります! その代わり、人が変わることはあると思います。そして、運命的な愛もあると信じています。

マイクを左手に持っている男性が前に向かって話している
来日記者発表イベントの様子
茶色のドレスを着ている女性がマイクを持ち話している。
パネルの前でマイクを両手で握っているスポーツ刈りの黒ぶちメガネの男性
ムン・ヒョンソン監督


坂口健太郎さんの好きな韓国語は「チャジャンゴ チナガムニダ」

『愛のあとにくるもの』では、日本語と韓国語、それぞれの会話も数多く出てきます。そこで、3人に尋ねたのが、好きな言葉です。ムン監督とセヨンさんは日本語の、坂口さんは韓国語の好きな言葉をフリップボードに書きました。

ムン監督:私は「キレイ」です。ドラマのなかで潤吾とホンが「キレイ」という言葉でやり取りするシーンがあります。その撮影をしている瞬間、本当に自然に心から坂口さんとセヨンさんを「キレイだな、美しいな」と思ったんです。ドラマを観てくださる方が私と同じように潤吾とホンを見て、「キレイだな、美しいな」と共感してほしいという願いを込めて、この言葉を選びました。

セヨンさん:私は「アイタイ(会いたい)」です。日本語、合ってますか? 「アイタイ」の「アイ」の音を持つ言葉には、「愛」があるし、「あいさつ」の「あい」もあります。いろんな意味があるのもいいなと思います。それに私は、(このドラマでカンナ役を務めた女優の)中村アンさんたちにいつも会いたいと思っています。恋しい気持ちを込めて、メッセージをやり取りするときも「会いたい」と、よく書いたりしているんです。

坂口さん:お二人ともロマンチックな言葉なので、僕がこれでいいのかどうかと思いますが(笑)。僕が書いたのは、「チャジャンゴ チナガムニダ」です。日本語に訳すと、「自転車が通ります」です。撮影現場で本当によく聞いた言葉でした。とくに潤吾が住んでいた吉祥寺のあたりは自転車の通行が多いので、撮影スタッフさんたちがロケの最中、「チャジャンゴ チナガムニダ」と何度も声をかけていたんです。「いい響きだな」と思ったので、通訳さんに意味を教えてもらいました。僕が覚えてしまうくらい、何度も声を掛け合って周囲に注意しながら、日本でも丁寧に撮影をした証です。

丸いメガネをかけ笑っている男性、マイクを持っている男性、口を手で隠している女性がそれぞれ文字が書かれたフラップを持ちハイチェアに座って並んでいる。
チームワークの良さが伝わってきたきた来日記者発表イベントでの様子

感性豊かないろいろな愛の瞬間を見届けて欲しい

最後にプライム会員の皆さんに向けて、メッセージが送られました。

ムン監督:『愛のあとにくるもの』は、単に後悔しているだけだったり、恨んでいたり、悲しんでいる物語ではありません。本当にさまざまな感情が美しく描かれています。10月11日からは、このドラマを観ていただいて、感性豊かな時間を過ごしていただけたら、と思っています。

セヨンさん:日本語での演技は難しいところもたくさんあったんですけど、とても幸せで楽しかったです。特に日本で2か月間、撮影ができたことは、とても幸せでしたし、そのエネルギーをいただいて、頑張って、愛情を込めて作品に取り組みました。潤吾とホンのように、日本と韓国に住む私たちは、違うけれども似ているところがたくさんあります。多くの皆さんに見ていただいて、自分と共通するところがたくさんあると共感していただけると、うれしいです。私もこのドラマを経験して、もっと新しいことに挑戦したいという思いが強くなりました。今日も日本の皆さんの前でお話しできて光栄ですし、とてもうれしく思っています。

坂口さん:『愛のあとにくるもの』は、日本と韓国のエネルギーと強い想いが合わさっていますし、日本の四季や韓国の冬の美しさも描かれています。1つのラブストーリーを作るなかで、監督やキャスト、スタッフの皆さんと同じ方向に向かって力を合わせ、仕事ができたことを、僕は誇りに思っています。潤吾とホンの生きている世界は、ものすごく大きな世界ではないかもしれないですけど、日本と韓国それぞれの登場人物のなかに、いろいろな愛が動いています。その瞬間を皆さんに見届けていただけたら、すごくうれしいなと思います。

Prime Video(プライムビデオ)では、2024年10月11日からプライム会員向けの見放題独占配信でスタートします。

本予告「時間」

『愛のあとに来るもの』 OFFICIAL 本予告「時間」|プライムビデオ

本予告「運命」

『愛のあとに来るもの』 OFFICIAL 本予告「運命」| プライムビデオ

『愛のあとにくるもの』(全6話)

本作は、辻仁成とコン・ジヨンによる小説を原作に、韓国でも絶大な人気を誇る俳優坂口健太郎と韓国ドラマ「赤い袖先」などで活躍する女優イ・セヨンをW主演に迎えて描く純愛ラブストーリー。

日本留学中に運命だと信じていた初恋を心に閉じ込め、韓国で新しい人生を歩んでいたチェ・ホンは、この5年間忘れることなく後悔を積み重ねてきた潤吾と偶然の再会を果たす──。

現在の冬の韓国と5年前の春の日本を舞台に、美しくも切ない、それぞれが抱えた愛の「跡(あと)」が重なり合っていく。

作品ページ: https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGWV7FLG

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