「Amazonが障がいを持つすべての人の成功をサポートすることを知ってもらうことで、自分たちが他の人たちと同じ扱いを受けられるのだと、彼らに思ってもらえます」とAmazonのペイメントチームのシニアUXデザイナーであるブレンダン・グラマー(Brendan Gramer)さんは話します。グラマーさんは、障がいを持つAmazon社員の声を代表するアフィニティグループ(有志団体)「People with Disabilities(PwD)」のグローバルプレジデント(代表者)であり、Amazonを障がいのある人たちがより働きやすい職場にすることに貢献している多くの人たちの1人です。
2020年10月の第75回全米障害者雇用啓発月間(NDEAM)の期間中、Amazonはグラマーさんのように世界各地の職場におけるアクセシビリティ(身体や能力の違いによらず、あらゆる人が同じように利用できる状態)とインクルージョン(互いが尊重し合い受け入れること)を促進している社員とパートナーの存在に光を当てています。
アフィニティグループPwD(以下PwD)の代表や共同リーダー、そして障がいを持つ人の雇用の取り組みやAmazonにおけるインクルージョンを促進するイベントをサポートする人たちまで、障がいを持つAmazon社員を支える7人のリーダー、イノベーター、協力者たちをご紹介します。
ブレンダン・グラマーさん(Amazon’s グローバルPwD)
「Amazonのアフィニティグループ、グローバルPwDは、障がいを持つ社員をあらゆる面でサポートし、受け入れ、その声を代弁するために立ち上げられました」とブレンダン・グラマー(Brendan Gramer)さんは話します。
彼が2019年12月にPwDのグローバルプレジデントに就任した際、同グループには4つの支部がありました。それが今では39の支部を持つまでに成長し、全世界で規模を拡大し続けています。最近では、南アフリカ、ドイツ、フランス、ルクセンブルクで支部が作られ、近々スペイン、イタリア、エジプトにも開設される予定です。今年中に少なくとも50の支部の開設を行い、2021年中に合計100支部を超えることを目標としています。
「インクルーシブであることの必要性、および私たちの多様な視点によってAmazonにもたらされる独自の価値についての認識が深まりつつあります。私たちはAmazonに世界中で最もインクルーシブで、誰もがアクセスしやすい環境のある企業になってもらいたいと考えています。つまりそれは、障害を持つ人々が他の人たちと同じように受け入れられ、成功するためのあらゆる機会を持てるように、障がいを当たり前のこととして受け入れ取り組むことを意味します」(グラマーさん)
PwDは数千人のAmazon社員の暮らしにプラスの影響を与えています。グラマーさんによれば、世界的な拡大を持続させるというグループの目標は、企業の壁を越える域に達しているといいます。
「多くの場合、障害者権利法は障がい者コミュニティの支持があってようやく更新されることとなります。Amazonはグローバル企業であり、世界に影響を及ぼす機会を提供しています」(グラマーさん)
PwDには、世界中の支部に2,600人を超えるメンバーがいます。グループの規模が拡大するなか、メンバーがより多くの関係を構築し、支援を手にし、世界的変化を引き起こすことをグラマーさんは期待しています。
「支援のために人々がつながれば、これほどのことができるのかと、驚かされます」
ムルンメーイ・アブロールさん(Amazon’s PwD India)
インドのデバイスチームでPRマネージャーを務めるムルンメーイ・アブロール(Mrunmaiy Abroal)さんは、次のように話します。「インドでは、ショッピングモールや街中で障がいのある人を見かけることは稀です。なぜなら、アクセシブルな環境が整っていないからです。障がいを持つ人々を見かけることがなければ、アクセシビリティの必要性は認識されないままになってしまいます」
そうした理由から、アブロールさんはインドで PwDの支部を立ち上げることにしました。
「グローバルPwDアフィニティグループのことを知り、彼らが障がいを持つ人々を支援し、組織の中での理解を広めている様子が伝わってきました。そして、ぜひインドでも行う必要があると考えたのです」(アブロールさん)
アブロールさんは、2020年に入ってからPwD Indiaを立ち上げました。グループにはすでに230人のメンバーと5人の役員がいます。「多くの人が応援してくれ、自分たちの同僚が前に進める手助けをしたいと考えていることがわかり、とても心強いです」(アブロールさん)
アブロールさんはEメールで送るニュースレターを通じてグループのメンバー同士をつなげる活動を始め、グループの影響力をバーチャルで広げる計画を立てています。
「『Humans of New York』や、『Humans of Mumbai』 と同じように、障がいを持つ人々についてもっと紹介し、社員だけでなく社外の人にも広く知ってもらうために、インドのブログで新しいシリーズをスタートさせたいと考えています」(アブロールさん)
アブロールさんは個人ブログの「Wheelchair Wanderer」を通じて、障がいを持つ人々について知ってもらうための活動を行っています。その中で彼女は、脊髄に損傷を負った一人として、旅先や日々の暮らしのなかで経験した出来事を発信しています。また、脊髄を損傷した後の生活を新たに認識してもらうために、インドのSpinal Foundationと協力して認知度を高める活動も行っています。
「周囲がよりインクルーシブで誰もがアクセスしやすい環境に変わるのを待たなくても、障がいをもつ人々が自分のやりたいことを我慢しなくて済むようにしたいと願っています」(アブロールさん)
シャムズ・フサミーさん&リサ・リビングストンさん(March of Dimes Canada)
Amazonは、「オルタナティブ・ワークフォース・サプライヤー・プログラム(AWSP)」でMarch of Dimes Canadaと提携しています。AWSPは、障がいを持つ人々をはじめ、これまで就職と昇進の両方で困難に直面してきた個々人のニーズに応えるために開発された人材派遣プログラムです。
March of Dimes Canadaのリージョナルエンプロイメントサービスマネージャーのリサ・リビングストン(Lisa Livingston)さんは、Amazonと緊密に協力してAWSPを通した新しい人材の採用・支援に取り組んでいます。
「地域の他のエージェンシーとつながりを持つ人事採用担当者、およびAmazonラーニングチームの活動を補完するジョブコーチを正社員として雇用することで、AWSPを通して採用されたAmazon社員に個別支援を提供しています」(リビングストンさん)
カナダのオンタリオ州にあるAmazon Warehouseのスタッフ、シャムズ・フサミー(Shams Hussamy)さんは、March of Dimes Canadaが支援している社員の1人です。
「フサミーさんはやる気があり、信頼でき、頼りがいのある人物です」(リビングストンさん)
求職時や過去の勤務先でのこれまでの経験について、フサミーさんは語りました。「これまで就職には苦労してきました。どの職場でも十分なサポートを受けることができませんでした。 March of Dimes Canadaを通して、Amazonに就職することができました」
10月、フサミーさんはAmazonで働き始めて1年となった記念日を祝いました。就職して間もない頃のことをフサミーさんはこう振り返ります。「最初はとても緊張しました。ですが、仕事を覚えるために丁寧にサポートしてもらい、多くのトレーニングを受けることができ、みんなが笑顔で応援してくれたことがうれしかったです」
リビングストンさんおよびMarch of Dimes Canadaチームの協力を得て、フサミーさんは昨年1年を通して楽しみながら新しいスキルを身につけ、仕事の上でも成長しました。「今もMarch of Dimes Canadaのジョブコーチのサポートを受けていますが、おかげで気負うことなく新しい職務に挑戦し、目標を達成することができています」(フサミーさん)
フサミーさんは、カナダでAWSPを通じてAmazonに雇用された最初の社員の1人です。それ以降、AmazonではMarch of Dimes Canada の支援のもと、同プログラムを通してオンタリオ州で40人を超える人材を採用しています。
ジョアンナ・ハントさん(Amazon’s A11yCON)
「ずいぶん前に、障がいを持つ人々が直面している障壁の多くが人為的なものであるということを知りました。そのような障壁が存在してはならないと考えています」と、プリンシパル・プロダクトマネージャーとしてAmazonのKindleアクセシビリティチームを率いるジョアンナ・ハント(JoAnna Hunt)さんは話します。
こうした理由から、ハントさんは同僚たちと協力して、A11yCon(アリィコン)を企画することにしました。これは、全米障害者雇用啓発月間に、世界中のAmazon社員が講演者や同僚によって繰り広げられる職場のアクセシビリティについての議論を聞くというイベントで、ここ数年毎年開催されています。
「私たちのイベントの最優先事項は常に、障がいのある社員たちが変化を起こそうと努力する中で直面した様々な課題・困難を気軽に共有しあえるインベントにすることです」(ハントさん)
今年10月、A11yConイベントは3回目を迎えました。社内外の講演者の経験談やインサイトなどが今年はオンラインのバーチャルイベントで配信されました。
「影響力のある講演者が揃い、障がいに関する認識、歴史、状況について語るだけでなく、障がいを持つ人々の文化と生涯を称える講演を行います」(ハントさん)
ハントさんによると、過去のイベント期間中、障がいのある社員たちがインクルージョンに対する見解にA11yConがどういったプラスの影響を及ぼしたのかについて例を共有しあったといいます。
「私たちは、マネージャー、リーダー、同僚のチームとの関わり方が変わってきたのを見てきました。ミーティングの進め方やコミュニケーションの取り方に変化が見られました」(ハントさん)
障がいを持つ同僚の協力者として自分たちのできる最善のことは、「聞き役に徹することです。問題は、障がいを持つ人にあるのではないということを知ることが大切です。問題は、私たちが彼らに仕事を依頼する環境の中に潜んでいるのです。それを理解すれば、変化を起こすために取り組むことができます」(ハントさん)
小幡昇さん&梅澤友美さん(Amazon’s PwD Japan)
小幡昇さんは日本のConsumer BDチームのシニアアカウント・マネージャー。人事部のデータマネージメントアソシエートの梅澤友美さんと共に、PwD Japanの共同リーダーを務めています。
2人は、仲間と共に2019年9月にPwD Japanを設立し、ローンチイベントには200人を超えるAmazon社員たちが参加して立上げを祝いました。現在、PwD Japanには300人を超えるメンバーがいます。
「私たちはPwD Japanに対するニーズがあることに気づきました。また、それを支援したいという人も大勢いることが分かりました。多くの同僚、シニアリーダーからもサポートを得ることができました。」(小幡さん)
PwD Japanは、日本の社員に向けて、障がいに関する勉強会や講演会を開催することからスタートしました。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、グループメンバーとテーブルを囲むカジュアル・ランチを毎月開催していましたが、今は、フィジカルディスタンスに関する社内のガイドラインに照らして、対面式のランチの代わりに、オンラインで開催するバーチャルのコーヒーアワーを実施しています。
「私たちの現在の目標は、この困難な時期に、障がいのある社員が安全に過ごせる場所を提供することです」(小幡さん)
次なるステップとして、梅澤さんと小幡さん、そしてPwD Japanのコアメンバーは、障がいのあるAmazon社員と日本の仲間たちがつながり続けるために、コミュニティツールの提供とブッククラブの開催を計画しています。
「私たちのグループを『障がいについて語り合える安全な場所』だと感じているという声を聞けて、うれしく思っています。日本での活動は始まったばかりですので、これからまだまだ成長していけると思います」(小幡さん)
全米障害者雇用啓発月間は、障がいのある人々の、職場でのアクセシビリティ、インクルージョン、機会をめぐる議論に光を当てるための期間です。しかし、プラスの変化を引き起こすには、継続して取り組んでいかなければなりません。Amazonのコミュニティ活動や職場での継続的な認知度向上を通して、アクセシビリティとインクルージョンの水準を引き上げていくことが可能です。
日本で活動しているPwD Japanについては、こちらもご覧ください。