2019年12月1日に長野市の古里総合市民センターで開催した「Amazon Holiday Smile in 長野」には、Amazon社員によるボランティアチームを中心に、長野在住のアスリートやボランティアが多数参加しました。そのイベントレポートの第2回では、運営に関わった人々に参加した子どもたちや長野に寄せる思いを聞いてみました。
今回のイベントに、Amazonはどのようなスタンスで臨んだのか、アマゾンジャパン合同会社、オペレーション技術統括本部、統括本部長の渡辺宏聡(わたなべ・ひろあき)は次のように話します。
「全国で災害が立て続けに起こっている中、Amazonでは『ほしい物リスト』の活用などで、継続的に日本各地の被災地支援を行っています。今回のイベントも多くのお客様に笑顔になっていただきたいというAmazonの想いから、子どもたちに直接、笑顔を届けようと企画されました。そのためにさまざまな部署のAmazon社員が取り組みました。例えば、プレゼントはAmazonのおもちゃ事業部のバイヤーが『今、どんなおもちゃが一番喜ばれるのか』を考え、念入りに選びました。ラッピングにはAmazonと地域貢献活動を一緒に行っているJリーグの川崎フロンターレのスクール生がサポートしてくれました。会場では多くの社員があちこちでボランティア活動をしました。子どもたちが今日、笑顔で来てくれた姿を見て、楽しいイベントにしなければと思いました」
地元をよく知る長野の人たちとイベントのプログラムを企画
当日のスケジュールや子どもたちとの触れ合い方などは、AmazonのスタッフとNPO法人「ながの子どもの城いきいきプロジェクト」や長野在住のボランティアの皆さんと協力して決めました。被災地支援はその地域や状況をよく知っている人たちと協力して活動することが、もっとも現地の皆さんに喜んでいただけるからです。
長野チームの中心人物の1人が、高木直人さんでした。地元の信越放送に勤務していた高木さんは現在、フリーのアナウンサーとして活動しています。大学時代の先輩がAmazonの社員であることが、今回のイベントに協力してくれたきっかけでした。
「被災直後から炊き出しのボランティアなどに参加してきましたが、ずっと自分だからこそできることはないかと考えていました。Amazonからお声がけいただいたときは、『これだ!』と使命感に燃えました。僕には、スキージャンプの選手やJリーガーなどのアスリート、パテシィエの方など、信越放送時代に培った様々な分野の人との縁があります。彼らと協力することによって、子どもたちを笑顔にするイベントができるのではないかと思いました。」
その1人が、ソチ五輪スキージャンプ団体銅メダリストの竹内択さんです。竹内さんも台風19号の際には、飯山市の実家の目の前まで水が迫り、大災害の恐ろしさを初めて目の当たりにしたそうです。
「子どもたちも今回の災害に対しては、いろいろなものを感じていると思います。体験したことは、残念ながら消すことはできません。でも、その経験があるからこそ、将来につながる新しい道が見つかることもあると思います。無理にプラス思考になる必要はありませんが、僕たち大人が夢を見せることで、子どもたちは希望のある未来を思い描きやすくなるかもしれない。僕のようなアスリートは、その夢を垣間見せる存在だと思っています。今日、僕らと一緒に過ごすことで、未来につながる笑顔が生まれてくれるといいですよね」と竹内さんは話してくれました。
被災地支援は継続することが大切
ランチのケータリングを担当した「クルークダイニング」常務取締役の飯田晋太朗さん、ショートケーキを作ってくださった上田市の菓子店「ペストリーブティック ストーリー」のオーナーシェフ有賀弘隆さん、靴のプレゼントを用意してくれた「シューマート」代表取締役会長の霜田清さん、劇団「WAHAHA本舗」のコミックバンド「ポカスカジャン」の大久保ノブオさんたちも、高木さんの声掛けで協力してくれました。
パティシエの有賀さんに参加した理由をたずねると、台風の影響で県内全体の雰囲気が沈んでいることが気になっていたとのこと。そんなときに高木さんから誘われ、「心からおいしいと感じるお菓子を食べてもらうことで、子どもたちが元気になり、地域の人たちの気持ちを温かくできたら」との想いで協力を決めたそうです。
学校などで指導をしている有賀さんは、今日のイベントでも子どもたちに「周囲が大変そうだからと自分がしたいことを我慢しないでほしい、やりたいことを自由にやってほしい」、との思いを込めてケーキを作ったと話してくれました。
ランチタイムの間、舞台で歌を披露し子どもたちを笑顔にしていた「ポカスカジャン」の大久保ノブオさんは長野市出身。台風19号の被害をテレビで見て、見慣れていた景色が一変した様子に、何が起きているのか理解するまで時間がかかったと言います。
「長野は台風に強いと言われてきた土地でしたから、信じられませんでした。炊き出しのボランティアなどに参加させてもらいましたが、家が壊れていたり、泥が家の中まで大量に入り込んでいたりした光景は切なかったです。僕も実家が危なかったので、人ごとには思えませんでした」
だからこそ、大久保さんは会場に笑顔があふれていたことが忘れられないそうです。
「被災された方はこれまで笑う余裕もなかったのではないかと思うんです。そう考えると、今日のように自然に笑ってくれているのが一番ですよね」
イベントを支える人とイベントに参加する人が垣根を越え、子どもたちと保護者、スタッフも一つの輪になり、笑顔があふれた「Amazon Holiday Smile in 長野」。舞台で「オンラインショッピングの仕組み」をパフォーマンスしたAmazonのボランティアスタッフも、「現地に足を運んだことで、被災生活が大変だったことがよく分かりました。これからも何かの形でボランティアに参加したい。舞台でも、予想以上に子どもたちに物流の仕組みに興味を持ってもらえてうれしかったです」と話しました。
今回のイベントで多くの人たちを繋いだ高木さんは、「これからの支援で大切なのは、被災地を忘れないでいてもらうことだ」と言います。発生から日が経つにつれて、被災地以外での報道はどんどん減ってしまうからです。
「被災地はまだまだ苦しい状況が続いています。僕はこれからも伝え続けていきたいと思っています。また、Amazonのように民間から志のある人が集まって、季節ごとにイベントを開いたりして欲しい。周囲にいる人たちが何らかの形で被災地に『忘れていない』という気持ちを伝えることが、長期的な支援には欠かせないと思っています」
ご協力いただいたボランティアの皆様、本当にありがとうございました。
このストーリーの前編「長野の子どもたちに笑顔を届ける「Amazon Holiday Smile in 長野」」もぜひご覧ください
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