新年度を控えたこの時期は、心機一転、自分の身につくことを始めたいという意識が高まるタイミング。 本を読んで知識を深めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。インプットを深める読書術として推奨されるのが、読むだけでなく、読書メモの付箋を書いておくなど、アウトプットも同時に行うという方法。より深く本の内容を理解でき、記憶が定着しやすいと言われています。 そこでおすすめしたいのが、昨年9月にKindle電子書籍リーダーのシリーズに新製品として加わった、付属のスタイラスペンで手書き入力ができるAmazon Kindle Scribe(キンドル スクライブ)。読書・メモツールとしてのKindle Scribeのメリットや、Kindle Scribeを活用した学習効率を高める勉強法について、本で読んだ内容を紙1枚にまとめ、思考を深めるという読書法を提唱されている、「1枚」ワークス株式会社 代表取締役浅田すぐるさんに教えていただきました。

グレーのタブレット型デバイスKindle Scribeと付属のペン 本のページの下部にウインドウがありそこに手書きの文字が書かれている

新しいKindle Scribeの大きな特徴の1つが、10.2インチのディスプレイ。一般的な単行本よりもひとまわり大きいサイズの画面で、雑誌などが読みやすくなるほか、文字サイズを大きくして、ゆったりと読書を楽しむことができます。アートブックや写真集、図鑑、マンガなどディティールを楽しみたい本も、300ppiの高解像度ディスプレイで細かい部分までチェックできます。サイズは約230mm×196mm、厚みは5.8mmとスリムなので、バッグなどにも入れやすく、持ち運びも楽です。

Kindle Scribe本体と付属のペンのクローズアップ。画面に書かれた文字はスムーズな線になっている

そして最大の特長は、付属のスタイラスペンで手書き入力ができること※1。手書きメモを書いて電子書籍へ付箋として追加できるほか、罫線付き、白紙、五線譜など、複数のテンプレートを使ってメモができる「ノートブック」機能は、ノートや日記、メモ帳としての活用ができます。To Doリストのテンプレートでタスク管理ができたり、PDFデータに直接書き込みができたりと※2、学習や仕事に役立つ機能がありますので、学習ツール、ビジネスツールとしても頼もしいデバイスです。

※1 マンガ・雑誌・一部の実用書等、手書き入力機能に対応していないKindle本があります。Kindle Scribeの手書き付箋機能に対応/非対応のKindle本は、各Kindle本の製品ページ上部「付箋メモ」の項目でご確認いただけます。
※2 PDFは「Send to Kindle」のWebページから簡単にKindle端末に転送することができます。

紺色のタータンチェックのスーツを着た男性。浅田すぐるさん
浅田すぐるさん

今回、Kindle Scribeを活用した勉強法についてお話を聞いたのは『早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法』の著者、浅田すぐるさん。浅田さんも、日々たくさんの本を読まれているそうですが、Kindle Scribeの10.2インチというディスプレイサイズは「革命的」だと言います。

「人間の2つの目って横に並んでいるので、やはり横方向に情報が配置されていた方が、一覧して見やすいですし、頭に入ってきやすいんです。Kindle Scribeが優れているのは、縦だけではなく、横のレイアウトに変更して読めること、そして10.2インチですと、ちょうど文庫本を見開きで読んでいるようなサイズ感となるので、紙の本をめくって読んでいる感覚で、気持ちよく読書ができるんです」

Kindle Scribeの画面の横に付属のペンを持った手 本の画面上に手書きの文字が書き込まれている

そして、読むデバイスとしてだけでなく、「書く」デバイスとしてもKindle Scribeの画面サイズは理想的であるとも言います。

「なぜKindle Scribeはメモが取りやすいんだろうと考えた時に、まずペンの書き心地や画面をなぞる感触が自然で、紙に書く感覚とほぼ変わらないという点が1つ。もう1つは、やはりこのディスプレイのサイズです。書いていて思い出したのですが、私たちが学生時代に使っていた大学ノートがこのディスプレイの大きさに近い、B5サイズのものが多かったと思うんです。それで、Kindle Scribeのディスプレイは考えながらメモをとるのに理想的なサイズなんだろうなと、納得しました。これはあくまで私の意見ですが、何かモノを考えながら書くという知的生産の作業には、おそらくこのサイズが最も適しているということなんでしょうね」

以前は「読む」ことも「書く」ことも、紙がメインだったという浅田さん。Kindle Scribeによって、紙とデジタルをシームレスに行き来しながら、読む・書くの作業ができるようになったとのこと。

Kindle Scribeの手書きメモ機能を活用して、読書の学習効果をより高める勉強方法

そんなインプットとアウトプットに最適の電子書籍リーダー、Kindle Scribeをどのように活用すれば、本の内容が頭に入ってくるのか。まず最初に浅田さんは、1枚の紙にメモを取りながら本を読む読書法を考案されたきっかけから話し始めました。

「本の内容を忘れないように、読んだ後にまとめてみましょうというアドバイスはよく聞くのですが、具体的にどうすればいいのかという部分はブラックボックスのままとなっている読書術の指南本が多くて、私自身、一読者として不満がありました。本の内容をまとめてみましょうというアドバイスだけでは、なかなか行動に移せる人はいません。具体的な『動作』にまで落とし込む必要があります」

そこで浅田さんが提案する具体的なアクションが、本を読みながら、「紙1枚」のフレームワークに書き込んでいくという読書法です。なお、この方法は、Kindle Scribeで白紙のノートブックを作成し、下の画像を参考に罫線を書き込んでフレームを作ることで実践できますので、ぜひ試してみてください。

白地にグリーンの線で書かれた表。 右半分にはQ? A? のほか1~3の数字が割り振られている

まずは、目標を設定する

まずこの学習法を実践する上で、最初にやるべきことは本を読む目的を設定することです。浅田さんは、本を読んでもその内容を忘れてしまうのは、本を読む「目的」が曖昧だからだと指摘します。なぜこの本に興味を持ったのか、何を知りたいと思ったのかなど、目的を明確にします。

目標から疑問に変換し、目的に対する意識を高める

そして、この際に目的を「質問」に変換すると、より強く目的を意識しながら本を読めるそうです。「〇〇の意味とは」「〇〇の時代はどんな生活をしていたのか」など、読む前から、そして読みながら疑問を記入します。

フレームの中の「Q」の欄に問いを書き込み、目的の達成につながりそうな部分を中心に読み、問いに対するヒントとなりそうなフレーズやキーワードなどを拾い、各枠=フレーム内に収まる程度にまで要約したり、キーワード化して埋めていきます。このように本を読む目的を明確にしておくからこそ端的にまとめられるし、『目的を達成した』という読後感が残るので、後で本の内容を思い出しやすくなります。

キーワードを結びつける

続いて集まったキーワードを結びつけて思考を深め、フレームの右上に最初に設定した「問い(Q)」に対する「答え(A)」を導き出し、書き込みます。最後に、「What?」「Why?」「How?」の3つの疑問に答えることで終了です。それぞれの具体的な質問文や、質問の順番は本の内容や、設定した問いによってアレンジする必要があります。例えば、その本を読んで何が響いたか(What?)、なぜ響いた(Why?)、どう活かす(How?)など。この3つの疑問に答えることで、より学習が深まるのだと浅田さんは言います。

表中左側にコメント、右欄に疑問点などが書き込まれている。キーワードが赤で囲まれ、結びつける線が引かれている

以上が、浅田さんが提唱する「紙1枚」読書法ですが、Kindle Scribeの既存のテンプレートを使用して、より簡易的に実践することも可能。実際に浅田さんが本を読みながら手書きしたノートをご紹介しますので、ぜひこちらを参考に試してみてください。

手書きのメモ 一番上に本のタイトル その下に疑問点や、要点が短い言葉でまとめられている

簡単に始められる勉強法

「Kindle Scribeにはハイライト機能があるので、読んでいて心に留めておきたい一節などがあったらハイライトしましょう。そして付箋を追加して、先ほどの「What?」「Why?」「How?」の3つの問いをたてて(1~2つだけでもOK)、自分なりに答えを考えてみる。いずれにせよ、ただ漠然と本を読むのではなく、心に響いたポイントで立ち止まって、その理由を言語化してみるトレーニングだと捉えて取り組んでみてください」

紙の本と違って、Kindle Scribeなら余白の制限を気にせず付箋メモができるので、書きながら思う存分に思考を深められます。さらに追加した付箋を一覧で見返すことができたり、作成したノートブックもフォルダに分けて保存・管理することができたりと、読書の内容を後で振り返るのに便利な機能も満載。インプットとアウトプットを1台で完結できるKindle Scribeは、読書に最適のツールであると、浅田さんは最後に言います。

ほかにもある、自分磨きに役立つKindle Scribe活用法

浅田さんに紹介いただいた勉強法のほかに、Kindle Scribeを活用した勉強法のアイデアをもう2つ最後にご紹介します。

Kindle Scribeを活用した勉強法その1:洋書を読んで英語学習、リーディング+ライティングスキルを磨く

リビングでKindle Scribeを手に本を読んでいる女性

AmazonのKindle本ストアには、たくさんの洋書が取り揃えられています。さらにKindleシリーズには、単語の意味を調べられる辞書機能や、調べた単語を「単語帳」としてまとめてくれる機能など、語学学習に最適な機能が充実。リーディングの練習になるだけでなく、Kindle Scribeの付箋機能を用いて、本の感想などを英語で書き込めば、ライティングのトレーニングにもつながります。また、作成した手書きの付箋はPDFファイルとしてメールで簡単に送信できますので、友だちなどに送って感想をもらうのもいいかもしれません。

Kindleシリーズを活用した英語学習の方法については、「本を読みながら楽しく英語をインプット、プロが勧めるKindle(キンドル)シリーズで手軽に英語学習を取り入れる方法」の記事もご参照ください。

Kindle Scribeを活用した勉強法その2:手書きの絵日記をつけて創造力を養うトレーニングを

リビングでKindle Scribeに何か書き込みをしている女性

Kindle Scribeに付属するペンには、文字の太さの調整、マーカー、消しゴム、元に戻す、などの多様な機能も備えられているほか、書き心地の精度が高いので、文字だけでなくイラストを描くことも簡単にできます。Kindle Scribeのノートブックで絵日記をつける習慣を始めてみれば、クリエイティブな力を養う訓練にもなるかもしれません。

Kindle Scribeの手書きメモを活用して読書体験をアップデートしよう

本を読むだけでなく、「書く」という体験も追加されたことで、読書の可能性がますます広がったKindle Scribe。ぜひ皆さんなりの楽しみ方や、活用の仕方も見つけてみてください。

そのほかのAmazonのニュースを読む