Amazonは「デリバリー・サービスパートナー(DSP)・プログラム」を通じて、パートナーである配送事業者に物流分野についてのガイダンスなどを提供し、サポートしています。今、このガイダンスを活用して、起業のチャンスを得た多くの人たちが、お客様に商品をお届する役割を担うラストマイル物流での飛躍を目指し、ビジネスをスタートさせています。
DSPプログラムを活用し、社内に物流部門を新しく立ち上げた2人の事業者の事例を紹介します。
Amazonの「デリバリー・サービスパートナー(DSP)・プログラム」とは
Amazonは、配送を委託する事業者をデリバリー・サービスパートナー(DSP)と呼び、Amazonが25年以上にわたり培ってきた、商品を安心・安全かつ確実に届けるために役立つ技術やツールの提供などのサポートを続けています。これが「デリバリー・サービスパートナー(DSP)プログラム」です。
社会に必要とされるビジネスで会社を安定させたい
学生時代から、自分の裁量で働きたいという考えを持ち、起業を目指していたという高山芽衣さん。その念願を叶え、2019年7月に東京都で株式会社Passion monsterを設立しました。SNSマーケティングを主力事業とし、さまざまなSNSを使って企業アカウントの運営代行をする企業です。この会社に配送部門を立ち上げたのは2023年7月のこと。
「SNSマーケティングは、社会をより豊かに楽しくする仕事。一方、配送ビジネスは社会を支える仕事で、確実に需要があります。会社を安定させるためにも新たな事業に取り組みたいと考えていたので、配送ビジネスを始めることにしました」
高山さんは配送ビジネス開始を決めてすぐ、AmazonのDSPプログラムに応募。選考を経て、Amazonと契約し、株式会社Passion monsterはAmazonのデリバリー・サービスパートナー(DSP)として本格的に配送ビジネスをスタートさせました。
「Amazonでは担当の方が契約前からつねに伴走して、配送の仕組みから他社事例、Amazonのビジネスモデルやツールといった具体的なことまでサポートをしてくれました。『私たちが力になれることはありますか?』というスタンスで関わってくださるので、パートナーとして対等に見てくれるという気持ちが伝わってきて、うれしかったですね。また、経営者としてはAmazon側のコンプライアンス(法令順守)がしっかりしている点も信頼できると感じました」
株式会社Passion monsterは、デリバリーステーション(DS)内での安全講習にも参加。配送中に車両トラブルがあった時でも、すぐ相談できるAmazonの窓口があり、ドライバーが安心・安全な環境で働けることも経営者として満足しているポイントです。
ドライバー募集のテクニックが自社の実績に
株式会社Passion monsterは現在、約45名のドライバーと業務委託契約を結んでいます。年齢層は20代から60代と幅広く、関東だけでなく、九州や離島、北陸からも応募があり、この仕事をするために東京に移住した人もいます。
「Passion monsterのサイトに募集情報を載せ、オンラインで面接して契約しました。応募の動機を聞いてみると、運転免許があればできるからとか、運転が好きとか、自由な時間と仕事を両立させたいといった声が多かったです。これだけの規模の募集をするのはPassion monsterでは初めて。でも、この契約が成功したことが会社の実績になり、今ではSNSマーケティング部門にも問い合わせがくるようになりました」
外見にとらわれず、公平で多様な機会を生み出したい
株式会社Passion monsterは事業の1つとして、薄毛の男性をターゲットとしたwebマガジン「NOHAIRS」を運営しています。実は、「NOHAIRS」読者との会話も高山さんが配送ビジネスを立ち上げるきっかけになったそう。
「薄毛の人の中にはスキンヘッドにする人も多いのですが、強く見えがちなどの理由で就職が難しいという話を聞いたことがあります。私自身も高校時代に、勉強はちゃんとして成績もいいのに、髪を染めたせいで推薦が得られなかったという経験がありました。でも、外見のせいで機会が奪われ、きちんと評価されないのはおかしいですよね。だから自分の会社では外見にかかわらず多様な人に働く機会を提供したいという思いが以前からありました」
「ドライバーさんの中にはいろんなバックグラウンドを持つ人がいて、面白いです。これからもっと配送ビジネスを拡大し、多様な働き方を生み出していきたいです」
パートナーとしてAmazonのビジネスを学びたい
岐阜県に1987年に創業した株式会社ラテールは、オーラルケア製品などの小売・卸売業を営む中堅企業です。2024年2月からはAmazonのDSPとして、配送ビジネスに新規参入しました。起業家を後押しするプログラムを活用して、東海地方でAmazonの次世代のデリバリー・サービスパートナー(DSP)となったのはラテールが初めて。現在は約25名のドライバーと業務委託契約を結び、配送を担当しています。
「ドライバーさんは20代から60代までで、女性もいます。コロンビアやブラジルの国籍の方もいて、いろいろなドライバーさんが来てくれたことで、会社が一気に多様性のある雰囲気になりました」
こう話すのは、創業者の孫で2022年12月から株式会社ラテールの代表取締役を務める足立昌紀さんです。足立さんが軽貨物輸送業に関心を持つようになったきっかけは、会社に商品を届ける配送業者から配送量の多さや人手不足の悩みを聞いたことでした。
「それだけ需要があるということは、配送業界にはビジネスチャンスがあるということだと感じました。いろいろ調べていくうちに、AmazonのDSPプログラムを知ったんです」
株式会社ラテールは、Amazon.co.jpで主力商品の高機能歯磨き粉や馬油スキンケア製品などを出品しており、販売事業者としてもAmazonのサービスを利用しています。
「私たちは複数のECサイトで商品を販売していますが、その中でもAmazonでは圧倒的に多くの商品が動いているし、ECサイトとしての成長もめざましい。そんなAmazonのパートナーになれば確実に売り上げが上がるはずだし、そもそもAmazonのビジネスとはどんなものか、配送ビジネスでも関わってじっくり学びたいという気持ちがありました」
がんばるドライバーが報われる環境を目指して
足立さんは2024年の年明けからAmazonのアカウントマネージャーのサポートをうけ、配送部門の立ち上げに向けて動き出しました。
「アカウントマネージャーには、DSPプログラムの詳細な内容から、このプログラムでAmazonが何を実現したいかといった本質的なことまで親切にガイダンスしていただきました。その軸を崩さずに私たちが配送ビジネスを続けていくことが成功への鍵になると思っています」
同時にドライバーの募集もスタート。足立さんが驚いたのは、この業界は人手不足と聞いていたにもかかわらず多数の応募があり、一気に25名ものドライバーと契約できたことでした。
「Amazonのオフィシャル配送サービスパートナーと名乗れることは、募集をする上で大きなプラスになりました。また、私たちはAmazonと直接契約したことでドライバーさんに好条件を提示できたのもよかったです。うちと契約したドライバーさんで以前は別の企業でドライバーをしていた方の中には、『ラテールと仕事をするようになってから自分でスケジュールが決められる上に、以前より収入が上がった。ラテールでドライバーの仕事ができてよかった』と話してくれる人もいるんですよ。私としても、がんばっている人が報われる環境を作れたことを、心からうれしく思います」
2月からの約5か月で、株式会社ラテールの配送部門は順調に売上を伸ばしています。
「私も配達に出ることがあるのですが、ドライバー用の専用アプリは便利ですね。これを使えば私たちでもベテランと同じクオリティの仕事ができます。配送現場で改善したい点があるときは私が直接Amazonの担当者に提案し、その提案に問題がなければすぐに採用されます。そんなスピード感も、DSPプログラムの魅力の1つですね」
Amazonは、DSPプログラムを通じて、配送ビジネスで活躍したい人を一から丁寧にサポートしています。ますます需要が高まる物流業界にチャンスを見出し、企業経営者として成功を目指したい方は、ぜひチャレンジしてみてください。