Amazonのスタッフの健康と安全は、私たちの最優先事項であり、それは創業時から変わりません。Amazonの創業者兼最高経営責任者ジェフ・ベゾスは2021年4月にも、「Amazonは地球上で最も安全な職場を目指す」と宣言しました。アマゾンジャパンはそのためにどんな取り組みを実践しているのか、二つの物流拠点(フルフィルメントセンター以下FC)からレポートします。
ラジオ体操の音楽に乗せて、水分補給のアナウンス

林誉子さんは佐賀県にある鳥栖FCでサイトセーフティエリアマネージャーを務めています。
「仲間の安全を守る仕事なので、緊張感とともにやりがいも感じます。万が一ケガ人が出たら、その人の人生が変わってしまうかもしれない。私自身も『こんな対策をとっていたらこのケガは防げたのでは』とひどく後悔するはずです。」

セーフティ担当者としての業務の一つが「現場ウォーク」です。サイトリーダーや現場担当者などとともに毎日一つのフロアをくまなくパトロールし、現場の安全をチェック。5フロアある鳥栖FCの安全を5日かけて確認して回ります。セーフティチームとしても毎日複数のフロアを見てまわり、Amazonの安全基準に達さない点があれば、すぐに改善します。

昨年の夏は、館内放送を使って十分な水分補給を促すように呼びかけるというアイデアを実行しました。
「ラジオ体操の曲に乗せて1時間に1回、『水を飲みましょう』とアナウンスしました。ラジオ体操の音楽なら一息つきたい気分になりますし、誰もが知っているので仕事中でもメッセージが耳に入りやすいのでは、と考えたんです」

最近は、お客様からご注文いただいた商品のピックアップを担当する新人スタッフ用の練習場、通称「ピックスクール」のセーフティ・レビューを行いました。これまで、ピックスクールは新人1名、トレーナー1名が定員でした。しかし、Amazonプライムデーに向けてピックスタッフの増員が見込まれたため、より多くのメンバーが同時にトレーニングできるように、安全な環境を入念に確認しました。

安全は、みんなで一緒に作るもの

セーフティ担当者として、林さんは安全についてこう考えています。
「FC内は安全第一が大原則ですが、皆さんが『安全を保たなければ』と常に意識しているようでは不十分です。どんなに作業に集中していても、つまずかない、転ばない、ぶつからない。そうでなければ本当の意味で安全な職場とは言えません」

「安全で健康的な職場」で輝くFCスタッフの素顔
FC内のレイアウト変更のための勉強会

そのため、どのような事故も未然に防ぐために、現場からはレイアウトの変更申請書が相次いで提出されます。これまでは、申請書に対して林さんたちセーフティチームがレビューを行い、申請者は再び修正案を出すというのが一般的な流れでした。林さんはこのプロセスを改善するため、勉強会を開催しました。レイアウトを変更する上で必要な安全の知識やルールを申請者に対して具体的にレクチャーしたのです。

その結果、申請者は安全性の高いレイアウト変更案を最初の提出時から作成できるようになり、林さんたちはより有意義なレビューができるようになって、お互いの手間やストレスも大きく減りました。

「安全は誰かに与えられるものではなく、ここで働くみんなで一緒に作っていく。それが理想だと考えています」

部活動を通じて心を通わせる

東京都の八王子FCで工程管理アシスタントとして働く森美穂子さんは、このFCの開設メンバーとして2017年に入社しました。物流業界でキャリアを築いてきた森さんの目から見ても、Amazonの安全に対するこだわりには驚かされたと言います。

「『3定(※)』というルールをここまで徹底して実践できる現場を初めて経験しました。しかも、安全性における問題が少しでもあれば即座に変更するというスピード感もすごいですね」

安全な職場環境にいるので、安心して仕事に取り組めるという森さん。仕事に対するモチベーションを後押ししているのがバドミントン部の活動です。バドミントン部は、八王子FCの開設に携わったアマゾンジャパンのマネージャーによって2年前に発足。森さんは3代目のバドミントン部部長として、練習場の予約などを担当しています。

「高校時代にバドミントン部に所属していたのですが、社会人になってから体を動かす機会が減ってしまい、残念に思っていました。だからマネージャーがみんなのコミュニケーションを深めようとバドミントン部を作り、誘ってくれた時は本当にうれしかったです」

※3定(さんてい)……「定品・定位置・定量」。「決まったもの(定品)を決まった位置(定位置)に決まった量(定量)だけ置く」という物品を管理する上での基本的なルール。

部活動は仕事へのモチベーションを上げる

部活動は月2〜3回。部署やスポーツ経験などを問わず、誰でも参加可能です。参加希望者は活動日の19時半に市民体育館に集まり、2時間ほど練習やゲームを楽しみます。新型コロナウイルス感染症の流行が始まってからは回数が減りましたが、感染状況を考慮し、注意を払いながら、運動のための時間を作っています。

「今日は部活動の日だと思うと、仕事へのモチベーションが上がります。普段からジョギングやストレッチをするようになって、体調もよくなりました」

もともと人見知りだった森さんにとっては、部活動を通じて、他部署のスタッフともコミュニケーションを取りやすくなったのも大きな収穫です。
「バドミントン仲間とは、職場でもより深いコミュニケーションが取れます。部活動があることで、職場が以前よりももっと好きになりました」

新型コロナウイルスの影響で会話が少なくなりがちな昨今、部活動はストレス発散の場であるとともに、チーム同士のコミュニケーションを深める貴重な機会になっています。

より安全で、より健康で働くためにアクションを起こした2人。そのまぶしい笑顔は、周りにいる人にも幸せの輪を広げているようです。