世界中のどこにでも、その地域に暮らす人々が大切に守り伝えてきた文化があります。その1つが、沖縄県で生まれた武術「空手」です。世界中に広がり、東京2020オリンピックの競技種目にもなった一方で、世代を問わず沖縄の人々に親しまれている空手。日本の最南端にある沖縄の島々の伝統武術の継承にも、Amazonは役立てられています。
争いを回避するための武術
沖縄はかつて、琉球王国という国でした。その国のエリート階級である士族が教養として学んだ護身術が空手のルーツとされています。
「空手の精神を表す言葉に『空手に先手なし』『人に打たれず、人を打たず、事なきをもととするなり』があります。つまり、空手は相手を攻撃するためではなく自分の身を守るための武術で、皆が無事であることが基本だという意味です。平和の民と呼ばれる沖縄人の心が表れている言葉ですね」
こう話すのは、沖縄伝統空手の流派の一つである「少林流聖武館(しょうりんりゅう せいぶかん)」の館長・島袋善保(しまぶくろ・ぜんぽう)さんです。善保さんは9歳のときに父・善良(ぜんりょう)さんから空手を習い始め、79歳になる今まで70年間欠かさずに空手の稽古を続けてきました。善良さんは沖縄空手の大家・喜屋武朝徳(きゃん・ちょうとく)から直接指導を受け、沖縄空手の発展に生涯を捧げた空手家。父の教えを受け継いだ善保さんは、沖縄だけでなく県外や海外にわたって空手の魅力を広く伝えてきました。
「自分が強くなれば攻撃されることはありません。また、相手に対する余裕が生まれるので、人を思いやり、優しく接することができます。空手の稽古を続けることで肉体的な力もつきますが、精神も鍛えられて強くなりますし、つねに相手を敬う礼節も身につくのです」
「Moving 禅」と呼ばれる型と実践形式の組手
沖縄空手のなかで、とくに大切にされているのが「型(かた)」です。型とは、複数の技を組み合わせて、一連の流れとして演武するもの。目の前に相手がいると想定して攻撃を受けたり、突きや蹴りなどの攻撃をくり出したりします。少林流聖武館には7つの型が伝わっています。
「型の稽古をするときは意識を集中し、目の前に敵がいるかのように全力で技を受け、突き、蹴ります。型の稽古をくり返して技を磨くうちに精神が鍛えられ、礼節を重んじて平和を愛する空手の心を深く理解できるのです。このことから、型の稽古は『Moving禅』とも呼ばれます」
空手用具をより早く、より安く
空手には、実践形式の「組手(くみて)」もあります。攻撃技を出す時は、相手を傷つけないように寸止めするのが決まり。組手の稽古は、けがを防ぐためにマスクやグローブ、胸当てなどの防具をつけて行い、ミットやサンドバッグを使うこともあります。道場の防具や稽古用具の手配をしているのが、善保さんの息子で、少林流聖武館の師範を務める島袋善俊(しまぶくろ・ぜんしゅん)さんです。
「空手用具は特殊なものなので、スポーツ用品店でも取り扱いが少ないんです。近所のスポーツ用品店で手に入らないものも多く、以前は本土のスポーツ用品店に注文して、送ってもらっていました。ところが以前、サンドバッグを買い換えようと思って検索したら、たまたまAmazonのサイトが真っ先に目に飛び込んできたんです。値段も手頃だし送料もかからない。これはいいと思って、早速注文しました」(善俊さん)
サンドバッグはすぐに届き、門下生は全力で突きや蹴りの稽古ができるようになりました。それ以降、善俊さんはミットや腱サポーターなどの防具からプロテインのサプリメントなど、空手に必要なさまざまなものをAmazonで購入しています。
「稽古のときにつけるスポーツ用マスクもAmazonで買いました。スポーツ用品店よりも手頃な価格で買えますし、配送されるのも便利ですね。いつも行くスポーツ用品店までは車で片道20分、買い物して帰るのに1時間程度はかかっていましたから。Amazonは品揃えが豊富だし、これからは翌日配送もできるそうなので、これからはもっと利用機会が増えるでしょうね」(善俊さん)
人の暮らしがある場所には、そこに住む人々が大切に守り伝える文化があります。Amazonは文化のともし火と、それを受け継ぐ人たちをサポートできるよう、これからも配送ネットワークとサービスを充実させていきます。