1863年にエイブラハム・リンカーン大統領が、奴隷解放宣言を発令してから2年以上が経過した後も、宣言に従うことを拒否した奴隷所有者によって何千人もの黒人アメリカ人が奴隷として扱われていました。そうした中、1865年6月19日、北軍は奴隷解放の命令を施行するためにテキサス州ガルベストンに到着しました。そして、テキサス州に25万人以上いるとされていた奴隷階層の人々を解放しました。
「ジューンティーンス(June 19thを縮めた表記)」として知られるようになったこの祝日は、テキサス州の教会が主催する地域集会が始まりとされています。現在では、47の州とコロンビア特別区がこの重要な日を祝日または特別な日と認定しています。
Amazonの黒人社員ネットワークBEN(Black Employee Network)のメンバーであり、Amazonの物流拠点のオペレーション・マネージャーでもあるオーティス・ハンター3世(Otis Hunter III)は、次のように話します。「私は、Amazonで働く仲間やお客様に、他の人と同じ権利を持っていることを2年半もの間知らなかった当時の人たちについて、皆さんに考えてほしいと思います。私は、あらゆるレベルでインクルージョン(相手を尊重したうえでの一体化)と多様性を受け入れる環境で働いていることに感謝しています。しかし、まだまだやるべきことはたくさんあります」
ジューンティーンスの歴史
「ジューンティーンス」を取り巻く痛ましい歴史は、現在、全米、そして世界中に響き渡っています。今年の記念日は、アマド・オーブリー氏(Ahmaud Arbery)、ブレオナ・テイラー氏(Breonna Taylor)、ジョージ・フロイド氏(George Floyd)、トニー・マクデイド氏(Tony McDade)、ニーナ・ポップ氏(Nina Pop)、レイシャード・ブルックス氏(Rayshard Brooks)が殺害された事件、クリスチャン・クーパー氏(Christian Cooper)のような黒人男性に対する人種差別など、Amazonの黒人スタッフ、お客様、コミュニティの間で深刻な人種的トラウマと不安を再燃させた最近の出来事によって、さらに複雑なものとなっています。
米国国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館の口述歴史専門家であるケリー・ナヴィーズ(Kelly Navies)氏は、「ジューンティーンスは、すべてのアメリカ人にとって忘れてはならない重要な祝日です」と話します。Amazonは6月に、社会正義と公平性の実現に向けて活動している複数の組織に総額1,000万米ドルの寄付を行うことを発表しました。ワシントンD.C.にあるこの有名な博物館は、その寄付先の一つです。
ナヴィーズ氏は、ジューンティーンスの歴史について、より詳しく説明してくれました。連邦軍のゴードン・グレンジャー将軍は1865年に、1,800~2,000人の部隊を率いてガルベストンを訪れました。そこで、彼が読み上げた命令は、「アメリカ合衆国執行官の宣言に従い、テキサス州で奴隷階層とされてきたすべての人々は自由であるとする」というものでした。
この発表には白人からの抵抗もありましたが、希望に満ちた転機となりました。その後、1916年から1970年の間に600万人の黒人アメリカ人が南部から他の地域に大移動した際、ジューンティーンスの祝賀行事はテキサス州から他の地域にも広がりました。1970年代になると、ジューンティーンスは黒人コミュニティが自由と芸術を表現する日となり人気を博し、1980年からはテキサス州の祝日となりました。
ナヴィーズ氏は、続けて次のように語りました。「6月19日は、自由の意味、私たちが乗り越えなければならなかった課題、そして今もなお直面している課題について考える日です。また、私たちの家族やコミュニティが一堂に会して、将来に向けて前進するための一歩を語り合う日でもあります。それは私たちが生きているということ、そしていまだに目の前に壁があったとしても、これまで成し遂げられたことを祝う日なのです」
ナヴィーズ氏は、ジョージ・フロイド氏がテキサス州ヒューストンのジャック・イェーツ高校の卒業生であったことについても触れました。元奴隷だったジャック・イェーツ(Jack Yates)牧師は、ジューンティーンスを祝うための土地を購入するプロジェクトを率いていました。1,000米ドルを集めたイェーツ牧師と彼の仲間はヒューストンに10エーカーの土地を購入し、その土地をエマンシペーション・パーク(奴隷解放公園)と名付けました。この公園は、人種隔離施策が行われていた時代において黒人のための唯一の市営公園でした。
Amazonはジューンティーンスに敬意を表します
Amazonは、誰もが恐怖から解放され、尊厳を持って暮らせる国と世界の構築を支援することを約束します。その第一歩として、社会正義と公平性の実現に向けて活動している組織・団体に総額1,000万米ドルを寄付しました。Amazonの黒人従業員ネットワーク(BEN)の協力を得て選出された寄付先には、法制度を通じて体系的な人種差別に立ち向かっている団体や、黒人コミュニティの教育的・経済的機会の拡大に力を入れている団体が含まれます。
汎アフリカ旗の色
赤:解放のために流された血、黒人アフリカ系の先祖を持つすべての人々を束ねる血の象徴。
黒:国民国家ではないが、国旗の存在によって国家としての存在が認められている黒人コミュニティの象徴。
緑:アフリカの大地と豊かな自然の象徴。
ジューンティーンスは、米国の歴史において、今のこの瞬間に立ち止まり、その絆を強固なものにする機会です。その実現のために、Amazonのシアトル・キャンパスでは汎アフリカ旗を掲げ、個人、チーム、そして企業が世界中の人種差別、抑圧、不平等をなくす活動にどうすれば積極的に参加できるかについての対話や探求を促す、オンライン学習ツールやリソースを世界中のスタッフに提供しています。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)のグローバル・インクルージョンおよびダイバーシティ責任者であるラダヴィア・ドレイン(LaDavia Drane)は、次のように話します。
「今年のジューンティーンスは、いつもと違う雰囲気があります。人々はこれまで以上にジューンティーンスを普遍的なものとして対話をしています。私の願いは、多くの人たちと一緒に先祖の血と汗を称えることです」
Amazonには、社員同士が活動する様々なアフィニティ・グループがあり、日本でもGlamazon、PWD、Women@amazonなどが活動を行っています。
BENは、そのアフィニティ・グループのひとつで、メンター、キャリア開発と個人の成長を促進するワークショップ、Historically Black Colleges and Universitiesやその他の組織とのリクルート活動など黒人社員の採用、支援を促進することをミッションとしています。
BENのメンバーが選んだJuneteenthについて知るためのおすすめの本はこちらです(Amazon.comのサイトに移動します)。
あわせて『Amazonが正義と平等を支援する組織に1000万米ドルを寄付』もご覧ください。