Amazonの日本でのサービス開始20周年を記念して実施している「Amazon笑顔を届けようプロジェクト」。その一環として、Amazonの公式ツイッターを使い、日本最大のフードバンク「セカンドハーベスト・ジャパン」に寄付を行うキャンペーンを行っています。Amazon JP公式のTwitterアカウント(@Amazon JP)での「#Amazon笑顔を届けようキャンペーン」ツイートに、12月11日から25日までに1リツイートに対し100円と特製クッキーをセカンドハーベスト・ジャパンに寄付するものです。
今回は、セカンドハーベスト・ジャパンの創立者で、日本で20年にわたり、フードバンクの活動を続けてきたセカンドハーベスト・ジャパンCEOのマクジルトン・チャールズさんに、なぜフードバンクが必要なのか、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかでの厳しい活動の現状やフードバンク運営で大切にしていること、そして今年体験した新たな気づきについてお話しいただきました。
「おたがいさま」の気持ちで、サポートし合うことが持続していく秘訣だと思います
コロナ禍でのフードバンクの状況
新型コロナウイルスの感染拡大は、セカンドハーベスト・ジャパンの食料支援活動に大きな影響を与えています。Amazonでは食品を受け取りに来られない人たちのために今年5月に配達サービスのAmazon flexドライバーでの宅配の無償サポートを行いました。しかし問題は配送だけでなく、配布する食料、ボランティアの減少、運営している子ども食堂「キッズカフェ」の休止、そして食料を受け取る人たちの増加など多岐にわたります。
セカンドハーベスト・ジャパンでは、食品メーカーの商品や、行政が保管していた非常食など、賞味期限前にもかかわらず様々な理由で販売することができない余剰食品などを、東京・台東区の浅草橋にある直営パントリーや、東京、埼玉、神奈川で展開している提携フードパントリーで配布しているほか、直接受け取りに来られない児童養護施設の子どもたちのほか、DV被害者のシェルターや路上生活を強いられている人たちに届ける活動を行っています。今年になって特に飲食業など働く場を失った外国人の人たちやひとり親家庭の人たちが増えているそうです。実際、取材当日も、食品配布時間の1時間前から人々が並びはじめていました。
活動に賛同し、食品を提供する企業・団体は年々増え続けています。それでも、まだまだ食料支援を必要とする人たちへの増加に追いつかないのが現状です。
「1人に配布する食品は、米やパン、調味料、カップ麺、菓子、そして野菜や牛乳などです。以前は1回にだいたい3〜4日分賄える10kgほどを渡していましたが、今ではその半分以下の4~5kg程度になっています。受け取りに来る方が増えたこと、そして昨年、食品ロス削減推進法が施行されたことで、食品の市場における流れが変わったことなどから、寄付される食品量が減少したことが大きな要因です。それでも現在浅草橋の拠点では、週4日。1日で最高250食を配布しています」
また、食品を求める人たちが増加する一方で、ボランティアとして食品の仕分けを手伝ってくれている人たちが、今年の春から夏にかけて急速に減ったそうです。
「緊急事態宣言を受けて学校が休校となり、子どもの面倒を見なくてはならない親御さんたちや、新型コロナに感染すると重症化リスクが高い年配の方々、さらに会社の規則で外出できなくなった会社員の方々もいたためです。そこで、作業プロセスを変更し、少人数でも安全・安心に受け取れる環境を作りました」
新たな支援の場沖縄での取り組みと出来事
セカンドハーベスト・ジャパンでは、地域ごとに貧困率などの実態を調査しどの地域を支援するべきか、検討しています。
「6月に沖縄へ行ったところ、繁華街の国際通りは軒並み店が閉まり、観光客はいない状況でした。試験的に今年7月から毎月、食料の配布を行ったところ、毎回多くの方が訪れ、私たちはニーズがあることを確信しました。
沖縄では、11月に食品を配布したときに、ひとつのアイデアを試してみました。事前に受け取りに来る方々に家で余っている缶詰があったらそれを必要としている他の家族のために提供してほしいとお願いしてみたのです。受け取りに来る人たちに『私たちにも何かできることがあるかもしれない』と考えてみて欲しかったからです」
チャールズさんがそのアイデアを周囲の人に話すと、食品を必要とする人たちは自分たちが生きることで精一杯で他の人たちのために缶詰などを提供してくれるわけがないと言われたそうです。ですが、幸いその指摘ははずれることになりました。
「沖縄県内5か所で食料の配布を行いましたが、食品を受け取りに来た人の少なくとも7割、多いときは9割の人が缶詰を差し出してくれました。缶詰を忘れて残念そうにする人に、見ず知らずの人が『これを使ってください』と渡している光景も見ました。まさに、沖縄で“助け合い”を意味する「ゆいまーる」の精神です。なかでもほかの人のために缶詰を差し出す母親を見ていた小学生の娘さんがお母さんに向かって、『ママ、優しいね』と声をかけた一言に私はとても感動しました。母親の気持ち、「ゆいまーる」の精神が必ずその女の子にも芽生えていくんだと思いました」
継続していくために大切にしていること
こうした食料支援をしているなかで、チャールズさんは企業や団体に食品を供給してもらうさい、大切にしていることがあると言います。
「企業や行政、他の団体と信頼できる協力関係を構築することです。そうしたパートナーシップがないとこの事業は持続しません。その際、大切なのが対等な関係です。私は行政や企業に『お願いします』とは絶対に言いません。それを言えば対等な関係でなくなり、上下関係ができてしまいます」
企業とセカンドハーベスト・ジャパン、だけでなく、食品を受け取る人々たちとも対等な関係であることが大切だとチャールズさんは考えます。
「20年間活動を続けてきて、苦しい時期もありましたが、私がこの活動を行っているのは、楽しいからです。自分は人を助けるために働いているとは思っていません。私は日本に来て、いろいろなことを学び、たくさんの人たちに助けられました。それをお返ししているだけです。地域の人を支援することは、特別なことじゃないし、義務でもありません。自分ができる範囲でサポートする。だからこそ、受け取る人たちも『申し訳ない』という気持ちにならず、笑顔になれる。『お互い様』の気持ちで、サポートし合うことが持続していく秘訣だと思います。ボランティアとして社会に参加してみると、その地域に対する見方が変わり、発見があると思いますよ」
社会に目を向けることで得られる新たな視点
日本では約6人に1人が貧困状態にあると言われています。しかしそれはあまり知られていません。チャールズさんは、日本では生活に困っている人たちが「見えない」状況にあることも問題だと考えています。*厚生労働省2019年国民生活基礎調査
「まだ多くの人たちは、日本は豊かな国で困窮者などほとんどいないと思いこみ、たとえ困窮者がいたとしても、その人たちへの支援は行政がするべきだと考えているようです。市民団体は、行政や、企業ではできないことを補い、それぞれをつなぐことができます。市民団体と行政と企業、この三者が支援の必要性を理解していけば、活動に欠かせない食品、資金、人材の3つの面で支援し合えるはずです。その理解を促すことも私たちの活動のひとつです。今後も行政や企業と協力し合いながら支援拠点を増やしていきたいと考えています」
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「#Amazon笑顔を届けようキャンペーン」の寄付によって、必要としている人に食品を支援することができます。12月11日から25日までにAmazon JP公式のTwitterアカウント(@Amazon JP)での「#Amazon笑顔を届けようキャンペーン」ツイートに、1リツイートに対し100円と特製クッキーをセカンドハーベスト・ジャパンに寄付します。セカンドハーベスト・ジャパンが、食料を必要としている人たちに届けるのに、必要な費用は1食あたり約25円。つまり100円あれば、4食分を届けることができます。リツイートという応援のアクションに参加していただくことによって、チャリティーに対する意識の輪を広げてもらい、少しでも多くの人たちが笑顔になれるようお手伝いができればと考えています。
くわしくは、「Amazon笑顔を届けようプロジェクト」をご覧ください。