Amazonは、無料のコンピューターサイエンス教育プログラム「Amazon Cyber Robotics Challenge(アマゾン・サイバー・ロボティクス・チャレンジ)」を通じて、子どもたちにSTEM(科学・技術・工学・数学)分野への興味を持ってもらうための活動に取り組んでいます。埼玉YMCAでAmazon Cyber Robotics Challengeを受講しプログラミングを体験した小学生たちが、埼玉県にあるAmazonの物流拠点・上尾フルフィルメントセンター(FC)を訪問し、パソコンを使って学んだプログラミングやロボット工学の知識が、どのようにAmazonで生かされているのかを自分の目で確かめました。
Amazonが世界で進めるAmazon Cyber Robotics Challengeの取り組み
Amazonは、地球上で最もお客様を大切にする企業になることをミッションとして、サービスを提供する地域社会への貢献に尽力しています。その取り組みの一環として、ロボットを使った活動やゲームを通じて子どもたちの創造性や問題解決能力を高め、STEM分野への興味の喚起を目的とする学習プログラム「Amazon Cyber Robotics Challenge」を全世界で展開しています。アマゾンジャパンは日本YMCA同盟と連携し、2022年には一般児童のほか、困窮家庭や児童養護施設の子どもたちや発達障害、周辺の生きにくさを抱える子どもたちのべ約2,700名にAmazon Cyber Robotics Challengeの学習機会を提供しました。
コンピューターサイエンスの知識が応用されている物流の現場を学びながら、楽しい思い出づくり
子どもたちにコンピューターサイエンスへの好奇心を高めるきっかけをつくりたいという考えのもと、アマゾンジャパンは埼玉YMCAと連携し、子どもたちがAmazon Cyber Robotics Challengeでコンピュータープログラミングに触れる機会を設けてきました。そして、この度、その学んだ技術がAmazonの現場でどう生かされているのかを見学、体験するツアーを実施しました。
2022年12月3日。この日埼玉YMCAでは、小学校1~3年生の子どもたちを対象にAmazon Cyber Robotics Challengeのプログラミング教室が開催されました。このクラスでは、パソコンの基本的な使い方を身につけたあと、Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)で稼働する「Amazon Robotics(アマゾン・ロボティクス)」の仮想版ロボットを操作するために必要なプログラミング(コーティング)の基礎を、演習問題を解きながら学びます。
具体的には、パソコン上で矢印などのコマンドを組み合わせながら、ロボットが障害物を避けつつ目的地である商品棚にたどり着くルートのプログラムを作り、実行する「ロボットトレーニングミッション」と呼ばれる演習問題にチャレンジします。
正確で効率的なルートをどうプログラムできるかについて子どもたちで相談し合ったり、先生役のメンターにアドバイスをもらったりしながら、個々の学習ペースに合わせて難易度の高いミッションにもチャレンジすることができます。この日に参加した子どもたちは全員、過去にAmazon Cyber Robotics Challengeのクラスを受講した経験があり、パソコンの操作にも慣れていることから、簡単な復習を経て、演習問題に思い思いに取り組みました。
そして2023年1月14日、教室で学んだ知識が実社会でどう生かされているかを自分の目で確かめる機会として、Amazon Roboticsが稼働する上尾FCを巡るFCツアーが開催されました。
上尾FCのツアーには小学校1~5年生の子どもたちが参加しました。FCの主な業務を理解できるよう、FCに入荷した商品をチェックする検品、Amazon Roboticsを活用した商品の棚入れ・棚出し、注文通りに発送を準備する梱包の3つの業務について、子どもたちは、上尾FCを統括するサイトリーダーの阪口淳さんと2名の社員の説明を聞きながら見学しました。
検品のステーションと呼ばれる作業場へ移動する間、数多くのコンベヤーが並ぶ通路を歩く子どもたちは、「すごーい!」「いっぱいあるー」「ゲームはあるの?」と多種多様な在庫が保管された商品棚を指さしながら驚いています。ステーションでは入荷した商品を在庫棚に収納する前に、発注内容と合っているかや消費期限の確認、箱のダメージなどを、バーコードをスキャンすることでチェックします。バーコードのスキャン風景をスーパーやコンビニで見慣れている子どもたちも、作業を進めるスタッフの動きから目が離せません。阪口さんは、そんな子どもたちにこう説明しました。
「FCではたくさんの人が働いています。FCで働く人が安全にスムーズに仕事ができる環境を守ることも、Amazonは大切にしているんですよ」(阪口さん)
実物のAmazon Roboticsに歓声を上げる子どもたち
次はAmazon Roboticsのフロアに移動です。5,000㎏以上の荷物を運べる巨大なエレベーターの広さに驚きながら1階から3階に上がります。扉が開いた瞬間、子どもたちが「わー、いたいた」「すごい!すごい!でかい!」「いっぱいある!」「下にあるのが、ドライブ?」と、一斉に歓声を上げました。
Amazon Roboticsはソフトウェアと機械を使用し、FCが保管する在庫商品の流れを自動化したシステムです。このシステムには、商品棚、ドライブと呼ばれる商品棚を持ち上げるロボット、スタッフの作業スペースであるステーションという3つの主要な物理的要素が含まれています。ステーションにいるスタッフは、商品棚に入荷商品を収納したり、商品棚から発注商品を取り出したりします。そして、ロボットが商品棚を各ステーションに移動させるのです。
「どうやって動いているんですか?」と、男の子から質問が飛び出しました。阪口さんは「すべて自動化されています。システムが制御しているんですよ。床にバーコードがたくさん貼ってありますよね。あのバーコードがロボットに動きを教えているんです」と答えました。まさにこの仕組みは、Amazon Cyber Robotics Challengeで学んだコーディングの知識が基盤となって作り上げられているのです。
商品棚から注文が入った商品を取り出すステーションでは、子どもたちが実際に品出しの体験もしました。ランプが光る棚から商品を1つ取り出し、バーコードをスキャンしたあと、コンテナの中に入れ、緑のボタンを押して完了という作業です。作業を終えた子どもたちの表情は満足感にあふれ、「楽しかった」「面白かった」と笑顔で感想を教えてくれました。
最後は梱包のステーションです。商品棚から取り出した商品をサイズに合った袋や段ボールに収め、専用機械から送り出されるテープを貼り、梱包していきます。子どもたちの目が輝いたのは、梱包材のサイズに合わせてカットされたテープがシュッと勢いよく飛び出してくる機械の動きです。ここでも子どもたちは梱包作業を体験。商品を収めたAmazonのロゴが入った袋や段ボールを見ると、「これが自分の家に届く」というイメージがよりいっそう頭に浮かびやすくなります。
子どもたちは、Amazonの商品が、人の手とコンピューターサイエンスの組み合わせに支えられ、大切に届けられていることを約1時間の見学ツアーで実感したようです。
将来の夢につながる本物の学習体験
ランチタイムにはFC名物のカレーライスを楽しみました。大人でも満腹になるたっぷりの量をおいしそうに食べ終えた子どもたちに今日の感想を聞きました。
「パソコンでAmazon Roboticsのプログラミングをしたから、本物が見られて楽しかった。Amazon Roboticsの秘密を全部、知りたいなと思いました」(小学1年女子)
「どれも面白かった。ロボットが動いている床にバーコードがたくさん貼ってあるのにびっくりした。Amazonの皆さん、案内ありがとうございました」(小学1年男子)
「めっちゃ楽しかった。Amazon Roboticsを見られてうれしかった。商品棚が想像よりずっと大きくて、重そうなのにびっくりしました。梱包の作業が楽しかったです」(小学1年女子)
アマゾンジャパンと連携し、Amazon Cyber Robotics Challengeのプログラミング教室の開催している日本YMCA同盟 ブランディング推進協力部の大澤篤人さんは次のように語りました。
「プログラミング講座のまとめとしてFCを見学したいと積極的に検討していたので、今回の見学はとてもよい学習の機会になりました。楽しかっただけでなく、将来につながる素晴らしい、本物の体験ができたと思います。子どもたちから『Amazonで働いてみたい』という声が聞けたこともとてもよかったです。Amazonは、子どもの未来のために自分たちができることをしっかり進めていこうと力を尽くしてくださる企業です。一緒に活動できることは私たちYMCAにとって、とてもありがたいことですし、刺激にもなっています。今回のような機会をいただき、本当にありがとうございました」(大澤さん)
また、子どもたちを引率してきた埼玉YMCA 川越センターの木下遙七さんは、こんなことも話してくれました。
「朝から子どもたちは緊張していて、いつもよりおとなしかったんです。でも、Amazonの阪口さんや社員の皆さんのおかげでリラックスできたようで、見学ツアーの後半はいつも通りのにぎやかさになっていました。Amazon Cyber Robotics Challengeを通して学んだことを実地で見学できるのは、とてもよい経験になります。これからもAmazonと協力しながら子どもたちの好奇心を刺激して、興味の幅を広げる活動を続けていきたいです」(木下さん)
プログラミングへの好奇心を育み、コンピューターサイエンスの知識を生かしながら活躍したいと将来を思い描く子どもたちが1人でも増えるよう、アマゾンジャパンはこれからもYMCAと連携してAmazon Cyber Robotics Challengeの提供に取り組んでいきます。