アメリカで最も古いデパートの1つで用いられていた特徴的な建築スタイルを、Amazonが現代に蘇らせました
ニューヨーク、マンハッタン・ミッドタウンに位置するAmazonのオフィス「Hank」。この建物は以前、Lord & Taylorデパートの本店として知られ、数年にわたる改修と修復作業が行われてきました。
2007年にニューヨーク市ランドマーク保存委員会により歴史的建造物に指定されたこの建物に対し、Amazonは、その華やかなルーツと当初のデザインを尊重する一方で、2,000人以上の社員が快適に、そして協力し合えるワークスペースを提供することを目指しました。
糸の長さを測る単位「Hank」にちなんで名付けられたこの建物の中を、歴史に思いを馳せながら散策してみましょう
正面玄関に一歩足を踏み入れると、すぐにこの建物の元の目的を思い起こすことになるでしょう。
この建物はかつてのLord & Taylorの5番目の店舗として、1914年に建設されました。約110年の時を経て、現在もそのロビーは、出勤する社員たちの活気と喧騒で満ちています。
スタッフが売店へ直接向かって、朝の景色を眺めながらコーヒーを楽しむのは珍しいことではありません。このエリアは「Dot’s」と名づけられており、1945年にLord & Taylorの初の女性社長となったドロシー・シェーバー(Dorothy Shaver)に敬意を表しています。
ここでは、スタッフは開放的で光あふれる環境でコーヒーや食事を楽しむことができます。また、同僚と昼食を共にしたり、気軽なミーティングを行うのにも最適です。
「Bird Cage」というユニークな空間は、もともとあった同名のカフェからインスパイアされています。この囲われたデザインのエリアは、集中して作業できる快適な場所を提供し、地元のアーティスト、ブリット・クラインマン(Brit Kleinman)によるテキスタイルアートで装飾されており、建物の繊維産業における歴史を感じさせます。
新鮮な空気を吸って広々とした空間を楽しむなら、屋外テラスへどうぞ。ここにはドッグランもあり、壮大なエンパイアステートビルの眺めも楽しめます。Amazonオフィスは犬を連れて出勤することができるので、ここでは飼い主とその愛犬たちが交流する様子をよく見かけます。
テラスには緑がいっぱいで、豊富な座席を備えた散歩道が整備されており、日差しを浴びながらリラックスするのに最適です。
テラスからは、中庭にも降りることができます。天気のいい日には、社員たちが屋外でミーティングをしている姿をよく見かけます。
屋内では螺旋(らせん)階段が各フロアを結び、スタッフがカフェ、テラスや中庭へ簡単にアクセスできます。
オフィス内のフロアごとに、テキスタイルにインスパイアされたテーマが設けられ、ファッション業界の道具や用語が随所に取り入れられています。これらのグラフィックデザインは、それぞれのフロアがかつて衣料品売り場とだった歴史から着想を得て採用されたものです。
また、中央階段の前の壁面には、糸で作られたテキスタイル彫刻が展示されています。この作品は9フロアに渡っており、ジュート麻、テラコッタ、ユーカリ、ルーサイト、真鍮といった素材の使用によって、建物が経た用途の変遷を表しています。
新しく追加された中央階段は、異なるフロアへと歩いて移動し、ガラス屋根から差し込む自然光を楽しめるように設計されています。この変更によって建物の内部空間が明るく開放的になり、古い建物を現代的な用途に合わせて活用することができるようになりました。
スタッフは、いつものオープンオフィスエリアから、歴史ある空間を改装したユニークな場所まで、自分の好きな場所で仕事をすることができます。
歴史的なデザインの特徴を活かした例としてArch Loungeがあり、ここではもともとあった玄関アーチが巧みに取り入れられています。
また、静寂に包まれたSolarium Lounge(サンルーム)は、仕事中やチームメートとの打ち合わせの際に、環境を変えたいスタッフに最適な場所となっています。
もっとプライベートな空間が必要な場合の電話ブース、小会議室、個室のほか、大会議室など、さまざまなニーズに応じた選択肢があります。
ワークスペースや快適な設備のほかにも、HankにはAmazonの社員がまだ知らないかもしれない特別な場所があります。それがAWS Builder Studioです。約740平方メートルのこのスタジオは、ショールーム、共同作業スペース、そしてプロトタイピングラボを兼ね備え、AWS上で構築された革新的な製品やツールを展示しています。
来訪者は、魅力的なモデルやインタラクティブな展示物を自由に探索できます。VRヘッドセットを装着してお客様の注文処理を試してみたり、犬のような形をした有名なロボット「Spot」と触れ合ったりすることもできます。AWSの多彩な活用方法を体験しながら、時間を忘れて遊ぶことができます。
AWSを利用してプロトタイピングプロジェクトを実施しているお客様は、このワークショップスペースを利用することができます。
1日の終わりには、オフィスとイベントスペースが一体となった最上階へ。ここではニューヨークの壮大な景色を背景に、社内外のさまざまなイベントが開催されます。
そして、復元された歴史を物語るアイテムの探索もまだ終わっていません。元のブロンズ製エレベーターの上部横木(リンテル)が、目を引く3Dアート作品に生まれ変わっています。
1階には、コミュニティ用の教室兼イベントスペースが設けられています。Amazonはニューヨーク市立大学(CUNY)と提携し、約140平方メートルのスペースを、CUNYに属する25のカレッジが大学や大学院レベルの授業、学生による発表、採用イベントや同窓会などを開催するために提供しています。
AmazonのNew York Tech Hubに新しく加わったこの施設を、建物の長い革新の歴史を新しい世代のスタッフに引き継ぐ場所として、私たちは誇りに思います。
この記事は2023年9月13日にアメリカ版About Amazonで公開された記事を翻訳したものです。
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