アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、オーストラリア・メルボルン中心部のビジネス街にあるAmazonの最新オフィスの中に、アジア太平洋地域初のAWS Builder Studioを開設しました。350㎡におよぶこの施設は、世界で2番目のAWS Builder Studioです。
AWSは2023年から2027年にかけてオーストラリアで132億ドルの投資を行う予定であり、今回さらにこのスタジオを開設して、この地域のお客様に最新のテクノロジーを実際に体験してもらうと同時に、Amazonの文化である画期的な手法を活用してクラウドで新たな可能性を実現していくことを目的としています。
お客様はこの場所でAWSの技術者とつながることができ、実用レベルの試作品(プロトタイプ)を構築して実験し、貴重なリソースを実際の生産現場に費やす前にアイデアの検証やテストをすることができます。
AWSのアジア太平洋地域および日本のプロトタイピングおよびクラウドエンジニアリングチームのリーダーを務めるエイドリアン・デ・ルカ(Adrian De Luca)は、Amazonの後方支援的アプローチと実験の文化を支えに、お客様の現実の問題の解決を支援することに重点を置いてきました。彼はこう話します。
「AWSはお客様のために全力を尽くしています。あらゆる行動の中心にお客様を置くことによって、単にお客様のニーズに応えるだけでなく、お客様の将来の夢までも加速させることができます。私たちはAWS Builder Studioで斬新な考え方を育み、お客様が自信を持って迅速かつ大規模な実験を行えるようにしたいと考えています。最終的に、この施設は生成AIや空間コンピューティング、ロボティクスなどのAWSの最新テクノロジーをもっと利用しやすく具体的な形にして、誰もが参画して製品の開発サイクルを加速できるようにするためのものです」
イノベーション・ショールームの中を見学してみましょう
スタジオを訪れたお客様は、AWSのイノベーション・ショールームから製品構想のためのインスピレーションを引き出せるようになっています。ショールームにはAWSのテクノロジストやAWSのパートナーによって構築されたさまざまなデモンストレーションが実際に行われており、製造業、小売、ホスピタリティ、金融サービスなど、あらゆる業界のさまざまなアイデアを喚起します。
それではAWS Builder Studio内で行われているデモンストレーションの一部を特別に紹介します。
お買い物のためのセルフ決済システム
近年、セルフレジ方式のキオスクの出現によって、商品を購入するお客様はスキャンアンドゴーで自分のペースで支払が行えるようになりました。しかし、生鮮品や配管部品のようにバーコードがついていなかったり、うまくスキャンできない商品の場合、お客様が自分で入力したり、商品を検索したりしなければならないために決済に時間がかかり、店員の助けを借りなければならなくなることもよくあります。
AWSのコンピュータビジョン技術を使ったセルフチェックアウトPOSのデモンストレーションでは、高解像度カメラと重量計を用い、バーコードのない商品を自動的に検知して識別できるようになっています。この技術によってセルフ決済のプロセスが効率化され、お客様はさらに素早く便利にショッピングできるようになります。
リモートのエネルギー資産のメンテナンスにかかる時間を削減
日常生活に欠かせない風力タービンなどの大規模なエネルギー施設のメンテナンスは、発電事業者にとって難題になる可能性があります。IoT(Internet of Things)センサーやロボティクス、コンピュータビジョンなどのテクノロジーを導入することでリモートで情報を収集して問題を把握したり、故障予測まで行えるようになる可能性があります。
インテリジェントなウィンドファーム(集合型風力発電所)によって、発電事業者は施設の健全性をリアルタイムでより詳しく把握できるようになり、情報をもとに故障予測を行って、修理に要する時間を効果的に削減したり、オンライン上で重要なエネルギーシステムを維持したりできるようになります。
各タービンには複数のIoTセンサーが搭載されており、AWSに送り返されたテレメトリーデータを処理して、使いやすいダッシュボードとデジタルツインに表示します。音声起動方式のドローンはウェイポイント間を自律飛行でき、風力発電事業者がアクセスできるよう、ダッシュボードにライブ映像をストリーミングすると同時に、コンピュータビジョンを利用して異常な画像を探して特定します。
工場フロアの最適化
現代の工場はコネクテッドデバイスであふれており、メーカーにさまざまなデータを活用して、まったく新しい次元で自社の製品や工程、顧客を理解するチャンスを与えています。
スマートファクトリーのデモは、ミニチュア版の工場フロアで操業シミュレーションが行えるよう設計されています。スマートファクトリーのデータは、IoTコネクテッド機器を利用して収集され、分析が行われます。この情報は、物理的なオブジェクトのバーチャルモデルであるデジタルツインに投影されます。
この技術によって、お客様は工場の稼働状況をリモートからほぼリアルタイムで視覚化し、最適化したオペレーションの構築、生産量の増加、設備機器のパフォーマンスの改善が行えるようになります。
毎回完ぺきなコーヒーを淹れるserver-lesspresso
キッチンには、サーバーレスのコネクテッドコーヒーマシンがあり、バリスタはIoTや機械学習、アナリティクス技術を利用して毎回、確実に一貫した品質のコーヒーを淹れられるようになっています。
もしコーヒーが100%完璧でないと判断された場合は、グラインダーの設定を調整するなど、マシンの変更を行うようIoTセンサーがバリスタにシグナルを出すことができます。
このマシンはデータの分析も行うことができ、各自が何倍のコーヒーを飲んだか、どのドリンクが最も多く作られているかなど、さまざまな分析を行って、ピーク時により正確な注文予測を行ったり、ミルクやコーヒー豆など、何が必要かを伝えて無駄が出ないようにしたり、さまざまな形でバリスタを手助けしてくれます。
お客様のイノベーションを加速
このBuilder Studioは、この地域において、あらゆる業界のお客様がイノベーションを加速できるよう支援するAWSのコミットメントの新たなステップです。AWSは新設したこの施設においてAmazon独自のイノベーション文化と世界をリードするテクノロジーとを組み合わせ、お客様が自信を持って実験を行い、製品の開発サイクルをスピードアップできるようにすることを目指しています。
この記事は2024年3月12日にオーストラリア版About Amazonで公開された記事を翻訳したものです。
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