Amazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」というミッションの下、Amazonでお買い求めいただけるすべての商品が安全であるように努めています。

Amazonを利用するお客様には、豊富な品揃えだけでなく、商品の安全性についても信頼をいただいています。Amazonは、製造の段階から、配送中、そしてお客様の手元に届いてからも商品を正しくお使いいただくことによって、安全性が保たれることを目指しています。これは、Amazonを信頼してご利用いただくために非常に重要なことです。

安全でない商品がお客様の元に届くことを防ぐため、Amazonでは、販売事業者が出品アカウントを登録する段階から取り組みを行っています。登録時の事前審査では、写真付きの身分証明書や取引明細書などを提出いただいています。さらにAmazonのシステムや専門調査チームが、不正行為者の行動パターンや不正行為者との関連性など多くのデータを分析し、リスクを検出・防止します。また、販売事業者が出品する商品が法令や安全基準を満たしているよう、出品ポリシーを定めるとともに、書類審査などのプロセスを設けています。出品後も、安全ではない商品やポリシー違反の商品がないか常にサイトのモニタリングを行い、販売事業者や政府機関から寄せられる情報も併せて確認しています。こうした取り組みは、最先端の機械学習の技術、そして製品安全やコンプライアンスの専門家によって実現したものです。違反の可能性がある商品を検知する仕組みについても、常に改善を続けています。

このような取り組みに加え、お客様などから寄せられるフィードバックを基に、さらなる問題の発見に努めています。何らかの問題の可能性が浮上すると、迅速にその問題に対応するだけでなく、今後より効果的にお客様を守るための対策を検討します。たとえば米国では、危険性のあるベビーベッドガードや傾斜のついたベビーベッドが法律で規制される前にストアから削除し、「Kids in Danger」「Consumer Federation of America」「Consumer Reports」といった団体と協力して、「Safe Sleep for Babies Act」という法律につなげました。また、子どもがおもちゃの吸水樹脂ボールを誤飲する事故が起きた際には、子ども向けとしての商品掲載や販売をいち早く規制しました。吸水樹脂ボールについては、業界全体でこのような対応を取れるよう、正式な法規制が待たれています。

さらに、Amazonでは「Amazonマーケットプレイス保証」を設けています。商品に不具合などがあり、お客様が販売事業者との間で問題を解決できなかった場合、Amazonから返金する仕組みです。米国では2021年、欠陥のある商品によってけがをしたり、家屋などに損害を受けたりした場合、Amazonマーケットプレイス保証で補償できるよう対象を拡大しました。私たちが知っている限りにおいては、マーケットプレイスの運営事業者が、外部の販売事業者が販売する商品についてもこのような水準のお客様保護を提供した事例は、Amazonが初めてかつ唯一です。

商品のリコールがあれば、Amazonは販売事業者やメーカーと連携してお客様にお知らせします。私たちはサイトに通知を掲載するだけでは十分ではないと考え、速やかにお客様にメールを配信しています。以前は、詳細情報については政府機関などのサイトをご確認いただくようご案内していましたが、米国、英国、EU、カナダ、オーストラリア、シンガポールなどの国・地域では、Amazon内に「Your Recalls and Product Safety Alerts」というページを設け、お客様がAmazonで購入した商品についてのリコール情報、リコール時の対応方法、安全性に関する情報などを1か所で確認できるようにしました。さらに米国では、対象商品を購入したお客様への通知、返金、返品の管理などを販売事業者に代わってAmazonが行う「Amazon's Recalls Logistics Service (RLS)」を提供しています。お客様と販売事業者の双方にとって、効率的で信頼できるリコール対応が行える仕組みです。

またAmazonは、消費者団体や官公庁、大学や研究機関など、お客様を守るための活動や研究をしている外部の組織とも連携しています。製品安全の取り組みを進化させたいというAmazonの思いを表現し、安全性に関する業界共通の基準を設けるため、製品安全誓約という形で政府との連携を進めています。Amazonはこれまでに、日本、オーストラリア、カナダ、EUの各国・地域で製品安全誓約に署名しました。

より効果的に製品安全を実現するためには、官民連携をさらに発展させていくことが必要です。Amazonは、これまでの取り組みや外部組織とのパートナーシップを通じて、より効果的にお客様へ情報を提供すること、より迅速にリスク情報の共有をすること、リコールの仕組みを業界横断的に進化させることの3つが重要だと考えています。Amazonは、これらの領域について民間や行政などのパートナーと連携するとともに、この取り組みに新たに参加する組織を歓迎します。


1. より効果的なお客様への情報提供

世界各国・地域の法規制により、多くの商品について、販売前に安全性が検証され、認証されることが求められています。加えてメーカーは、安全性の要件を満たすため、設計、テスト、認証などに多くの時間とリソースを費やしています。さらに、お客様が商品を適切に安全に使用できるよう、ラベル、シール、マニュアルなどによって、商品の使い方をきちんと伝えることが求められています。しかし、そうしたシールやラベルが見落とされたり、捨てられたりしてしまい、本来は安全な商品が意図せずに誤った方法で使用されることがあります。長くて読みづらい紙のマニュアルや多すぎるシールにより情報がかえって伝わらず、商品自体は安全で注意事項も正しく表示されていたにもかかわらず、まさに注意事項にあるような誤った使い方がなされ、危険が生じたケースも少なくありません。

 そこでAmazonでは、製品安全の専門家による情報が、一連のお買い物体験の中でお客様の目に触れるような仕組みを作りました。お客様はお買い物中も商品が届いた後も、その情報を基に適切な判断をすることができます。購入前にも、商品の安全情報やお役立ち情報などを表示します。例えば米国では、米国運輸省道路交通安全局の「Right Seat」キャンペーンに協力し、車のシートのおすすめ商品と取り付け方の情報を組み合わせ、お買い物中の段階で表示しました。同様にご購入後も、メールやプッシュ通知などを通じ、商品を安全に使用するための情報を短くわかりやすい文章でお伝えしています。たとえばベビーベッド、ベビー用品、ドレッサーを購入したお客様には、消費者保護団体「Safe Kids Worldwide」や「Parents Against Tipovers」と協力のうえ、安全な使用方法や商品の転倒を予防する方法などの情報を発信することで、けがの予防に努めています。

使用方法などのガイダンスについては、メーカーの最新情報が常に過不足なくお客様の望む言語で提供されるよう、情報のデジタル化が必要だと考えます。デジタル化することで、小売業者もその情報を適切なタイミングでお客様に届けることが可能になります。近年では、欧州委員会が製品情報のデジタル化を推進するといった取り組みも出始めてきました。「Amazon Transparency」のようなツールにより、テクノロジーの力でより多くの商品にシリアル番号が付されるようになれば、最新の製品情報もより簡単にアクセスできるようになるはずです。すると小売業者もそのデジタル化された情報を活用し、購入プロセスのうちお客様にとって最も有益で効果的なタイミングで、製品安全に関わる重要な情報を表示させることができます。
 


2. 新たなリスク情報の迅速な共有

小売業者、メーカー、政府機関が、それぞれ把握したリスク情報を三者間で共有する方法は確立されていません。ほとんどの国では、メーカーが政府機関に問題を通知してから小売業者に伝わるまで、数週間から数か月かかります。政府機関がリコールの前に適切な調査を行うのは必要なことであるものの、その間商品が販売され続け、最初に問題が認知されてから長期間にわたって、多くの人が安全でない商品を使用し続けることになりかねません。

Amazonは各国・地域で製品安全誓約に署名していますが、EUでは欧州委員会による「Product Safety Pledge+」がそれに当たります。この署名の下、署名事業者と政府機関との協力が強化されるとともに、消費者団体が安全でない可能性のある商品を署名事業者に報告すると、政府機関からの正式な調査・通知の前に、署名事業者が商品の調査・削除を行うという取り組みも行われています。このように小売業者と製品安全の専門家が潜在的なリスク情報を交換することで、有益な協力関係が生まれ、迅速な問題解決につながります。

お客様を守るためには、業界全体で新たなリスク情報を迅速に共有するための情報交換の場を設けることが重要です。メーカー、消費者団体、政府機関、小売業者がそれぞれ情報を提供し活用することで、新たな製品安全リスクに対処できます。これによって、政府機関による正式な法規制や基準の必要性がなくなるわけではありませんが、業界全体でより迅速に対応し、より多くのお客様を早期に守ることができるようになります。


3. リコールの仕組みの進化

商品のリコールについて、現行の関連規制の要件は十 分ではありません。どのような製品がリコールされるか小売業者が確実に知ることが難しく、小売業者から お客様への通知についても、十分に高い基準があるとは言えないでしょう。また、お客様が何をするべきかがわかりづらい場合があります。たとえば、米国の消費者製品安全委員会によると、消費者がリコールに対応するのは全商品タイプのうちわずか6%です。 リコールの仕組みを進化させる必要があります。

取り組むべき最初の課題は、小売業者が受け取る情報が不完全・不明確であることが多く、対象商品の特定が難しいということです。例えば、2023年にAmazonが受け取った多くのリコール情報には、対象商品のブランド名、型番、鮮明な写真など、商品を特定するために必要な情報が不足していました。

次に、義務付けられているお客様への通知方法をアップデートする必要があります。多くの場合、カスタマーサービス・カウンターにポスターを貼ったり、新聞などで告知したりすることが、お客様への主な連絡手段として法律で定められています。Amazonでは、お客様がリコール情報を受け取る方法を進化させました。安全でない可能性のある製品が特定されると、Amazonで購入したお客様には、お客様が取るべき対応がわかりやすく書かれたメールが迅速に送信されます。通知には、どんな危険があるか、返金の申請方法、返品または廃棄方法などが掲載されています。現在では小売業者はほとんどの場合、商品の購入場所が実店舗であれオンラインであれ、オンラインショッピングのアカウント、メンバーシッププログラム、電話番号など、ポスターや新聞広告よりも確実にお客様に連絡を取れる手段を持っています。

政府機関がリコールを発表する際に必ず含めるべき製品情報についても、より強固な基準を設けることが必要です。この情報により、対象商品を迅速かつ明確に特定することができます。小売業者に対しても、メール、ショートメッセージ、郵便、電話など、あらゆる手段を通じてお客様に直接連絡することを義務付けるべきでしょう。また通知の中でも、リコールの内容やお客様が取るべき対応について明確に示す必要があります。
 


より安全なお買い物体験を目指して

Amazonは、販売する商品に高い基準を設けて安全性の確保に努めていること、またそれに対するお客様からの信頼に誇りを持っています。Amazonは、お客様を安全でない商品から守るために、イノベーションを起こし続けます。一方で、製品安全の分野でより大きな成果をもたらすには、官民が連携して客様へのより効果的な情報提供を行うこと、新たなリスク情報を迅速に共有すること、リコールの仕組みを進化させることなどが欠かせません。Amazonは今後も製品安全の向上を目指し、さまざまな業界、政府機関、消費者団体やメーカーの皆様と、世界中でパートナーシップを強化していきます。

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